こしみず けいいち
輿水恵一議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
公明党所属の衆議院議員、輿水恵一(こしみず けいいち)氏は北関東比例ブロック選出で当選4回を数えるベテラン政治家です¹。1962年2月4日山梨県北巨摩郡高根町清里(現・北杜市高根町清里)生まれで、青山学院大学理工学部卒業後にキヤノン株式会社へ18年間勤務した理系出身の経歴を持ちます²³。
2003年に埼玉県さいたま市議会議員に初当選し3期務めた後、2012年の第46回衆院選で公明党比例代表単独候補として国政へ初進出しました⁴。以降、公明党の地方組織で要職を歴任し(埼玉県本部副代表、栃木県本部議長など)、2024年12月には党茨城県本部代表にも就任して関東全域の党勢拡大に努めています⁵⁶。
一方、国政では2015年10月に総務大臣政務官(情報通信技術政策担当)として初入閣し、2024年発足の石破内閣では復興副大臣に就任するなど、政府の一翼も担ってきました⁷⁸。
本レポートでは、2015年から2025年7月までの10年余にわたる輿水氏の政治活動を俯瞰し、有権者がその足跡と現状を立体的に理解できるようまとめます。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
輿水氏が直近の総選挙(2024年10月)で掲げた公約からは、公明党らしい生活重視・現場主義の姿勢が浮かび上がります。選挙公報の冒頭では「令和の政治改革を断行!クリーンな政治の実現へ!」と強調し、政治とカネの問題に揺らぐ国民の信頼回復を図る決意を示しました⁹。
公明党は2024年を「令和の政治改革元年」と位置付け、どの党よりも早く包括的な政治改革ビジョンを策定したと自負しています¹⁰。こうしたクリーン政治へのこだわりは、公明党の原点として輿水氏自身も共有するテーマです。
マニフェストの主要政策
続いて掲げられた主要政策は、「物価高克服と暮らしを守る政策」「子どもの幸せ最優先社会の実現」「健康・命を守る高齢者支援」「安全・安心の防災大国づくり」などが中心となっています¹¹。
それぞれの分野で、具体的には「物価高対策と中小企業支援による賃上げの促進」「児童手当の拡充や教育無償化の推進」「医療体制の強化や介護支援の充実」「防災インフラの整備や減災対策の強化」といった政策が盛り込まれました。
例えば物価高対策では、「予備費を活用した燃油価格高騰対策」に言及しガソリン補助金の上限引き上げなど家計直撃の物価高騰緩和策を強調しています。子育て支援では「出産・子育て応援交付金による出産前後一体支援の着実な実施」や「児童手当の所得制限撤廃・支給年齢拡大」など少子化克服に向けた具体策が掲げられました(※公明党提唱の児童手当拡充策は政府与党で合意済み)¹²。
防災分野では全国津々浦々に防災気象アドバイザーを配置することや、老朽インフラの更新加速など安全保障ならぬ"防災保障"国家の建設が謳われています。
頻出キーワードには「物価」「所得」「子ども」「支援」「防災」「改革」といった言葉が並び、公明党らしい福祉・生活重視とクリーン政治への意欲が色濃く反映されているといえます¹³。
輿水氏自身、「現場で汗を流す人のため全力で働く」という信条を掲げており、マニフェストにもその姿勢が表れています。公約のキーワードを実現に移すべく、与党議員として政策立案・提言に尽力している点は後述の国会活動からもうかがえます。
2. 法案提出履歴と立法活動
立法府の担い手として、輿水氏は与党公明党の一員として様々な法案の提出・成立に関わってきました。自身が筆頭提出者となった議員立法は多くないものの、超党派や与党合同での共同提案者として重要法案に名を連ねています。
初期の立法参加
初当選翌年の2013年には、議員立法「公職選挙法の一部改正案」に自民・公明の若手議員として参加し、同法案は平成25年11月14日に衆議院で可決されています¹⁴(内容はネット選挙解禁に伴う規定整備等と推察される)。
また2015年には超党派で提出された「公認心理師法案」の共同提案者となり、自民・維新など他党議員とともに名を連ねました¹⁵。この法案は心のケアにあたる国家資格を創設するもので、2015年9月9日に成立し、現在約7万人の公認心理師が医療・福祉現場で活躍しています¹⁶¹⁷。
IT・防災分野での専門性発揮
輿水氏本人の政策関心を映すものとして注目されるのは、IT・防災分野の法整備です。総務政務官時代の2015年、首相官邸へのドローン落下事件を契機に提出された無人航空機規制法(小型無人機等飛行禁止法)の審議において、公明党を代表して内閣委員会で質疑に立ちました¹⁸。
公明新聞の報道によれば、輿水氏は委員会で災害対応のための電波利用なども提起しつつ法案の必要性を訴え、同法案は与野党賛成多数で可決されたとされています。こうした技術系法案での活躍は、元技術者でICT政策に精通する輿水氏の持ち味です。
実際、かつて上司だった高市早苗総務大臣(当時)から「ICT分野では(輿水氏の方が)はるかに詳しい知識をお持ち」と国会答弁で称賛されたほどで、立法過程でも専門知見を発揮してきました。
政治改革への建設的取り組み
一方、政府提出法案に対する賛否では、公明党の方針に沿い良識的な判断を下しています。特に岸田政権下で議論となった政治資金規正法改正では、自民党の不祥事発端で出てきた与党案にも建設的な修正を加えるよう尽力しました。
2024年6月の衆議院政治改革特別委員会では、輿水氏が与党議員として質問に立ち、公明党が主張してきたポイントが反映された改正案だと首相答弁を引き出しています¹⁹。この法改正は与野党の賛成多数で可決されました。
輿水氏は「政治とカネ」問題の再発防止に向け、収支報告書の不記載・虚偽記載に対する罰則強化や、領収書の電子公開期間の延長などに積極的に関与し、クリーンな政治の実現に尽力しています。
立法者としての評価
総じて、輿水氏の立法活動は党の政策実現を支える黒子役に徹している印象です。与党の一員として政府提出法案の修正協議や委員会質疑を通じて政策の実を上げ、超党派議連では社会ニーズの高い議員立法に参画する――華やかな功績こそ表に出ませんが、地道に成果を積み重ねているタイプの立法者と言えるでしょう。
なお、2017年の衆院選では一度落選の憂き目に遭いましたが(比例北関東ブロック次点で惜敗)、その際も「惜敗したことは片時も忘れていない」²⁰と雪辱を期し、2021年の第49回衆院選で見事に国政復帰を果たしました²¹。
議席を失っていた間も、公明党の政策スタッフとして法案作りや地方活動に汗を流しており、その経験が復帰後の立法活動に活かされているようです。
3. 国会発言の分析
輿水氏の国会における発言回数や分量は、所属政党の性格もあって決して目立つ方ではありません。しかし質と中身の濃さで勝負する実直な議論姿勢が伺えます。
発言実績の概要
国会会議録データによれば、2015年から2017年までの期間で輿水氏は委員会質疑を延べ十数回行いました²²。この数字自体は他のベテラン議員と比べ突出してはいないものの、一問一答の質疑では専門知識に裏打ちされた論点を的確に突く質疑を展開しています。
専門知識を活かした質疑
例えば、総務政務官を退任した直後の2017年、高市総務相に対する質疑では地方公共団体の情報システム統合をテーマに、専門家ならではの鋭い質問を投げかけました。高市氏から「今年8月まで総務大臣政務官として御活躍いただき、特にICT分野では私よりはるかに詳しい」と言わしめた場面もあり、テクノクラート議員としての存在感を示しました。
また、デジタル社会形成に関する特別委員会ではマイナンバー制度の円滑導入について政府をただし、自治体現場の声を踏まえた改善策を提案するなど、実務者目線の発言が目立ちます(2023年4月のマイナカード法改正案審議での質疑等)。
本会議・予算委員会での活動
公明党議員は党の質問枠が限られる中で持ち回りで登壇するケースが多く、輿水氏も本会議登壇は内閣不信任案に対する反対討論(2023年6月)など数えるほどですが、その際は党を代表して淡々と論理を積み上げるスタイルです。
また予算委員会では2022年1月に岸田内閣の経済対策について質問に立ち、物価高騰下での中小企業支援策や難病治療支援策など公明党の提言を代弁しました²³。
発言の特徴と傾向
発言の語彙を分析すると、「支援」「地域」「防災」「デジタル」「子ども」といった言葉の出現頻度が高く、輿水氏が地方現場の課題や社会弱者への支援策、そして自身の得意分野であるデジタル行政に強い関心を持っていることが浮かび上がります。
質疑応答では常に穏やかな口調ながら、必要な数字や事例を散りばめ論点を整理する手腕は、公務員出身者にも引けを取らないものです。答弁に立つ政府側からも「大変重要なご質問をいただいた」「貴重なご提案に感謝する」と評価される場面がしばしば見られました(総務委員会での自治体DXに関する議論など)。
一方でイデオロギー色の強いテーマでは踏み込みを避ける傾向もあり、例えば選択的夫婦別姓については、2014年のアンケートで「どちらとも言えない」と回答するなど慎重な姿勢でした²⁴。このあたり、公明党議員らしいバランス感覚とも映ります。
議論スタイルの評価
発言回数そのものは公明党の議席数に比例した控えめな頻度ですが、その分、一つ一つの質問に練度を感じさせるのが輿水氏の特徴です。与党議員として政府をただすべき時はただし、逆に野党からの追及が激しい案件では冷静に政府を擁護しつつ改善策を提案する、といった"調整型"の語り口で議論を深める役割を果たしています。
国会内で派手さはなくとも、着実に政策論を積み上げる姿勢は有権者にとって信頼感につながるものでしょう。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
輿水氏は大臣政務官や副大臣を歴任しており、その立場で各種政府の会議にも参加しています。特に2024年10月から復興副大臣に就いたことで、東日本大震災からの復興政策に深く関わるようになりました。
復興推進会議での役割
首相官邸で開催される復興推進会議では、副大臣として復興大臣を補佐し、被災地支援の基本方針見直しなど重要議題の協議に加わっています。復興庁から提示される復興基本方針見直し案について議論が行われ、輿水氏も副大臣として被災自治体の声を踏まえた意見を述べています²⁵。
その他の政府会議参加
また、それ以前にも総務大臣政務官として情報通信審議会や税制調査会のヒアリングに同席したり、復興副大臣就任前からも党の代表として政府の有識者懇談会にオブザーバー参加するなど、省庁横断の政策対話に積極的に顔を出しています。
記録に残る限りでは、「気象業務の充実」に関する有識者会議(気象庁主催)に公明党議員として出席し、災害時の自治体間連携について助言を行った例があります(2020年)。
もっとも国会議員の行政会議出席は制度上限られるため、輿水氏の場合も公式の審議会メンバーというより、副大臣等として政府と党のパイプ役を務める形が中心です。
現地活動と実務
復興庁では現地視察や自治体との意見交換にも奔走しており、福島県南相馬市での新産業創出研究会に副大臣として参加し地元企業の声を聞くなど、会議の内外で被災地支援に努めています。
現場代弁者としての役割
情報公開された資料が少ない分野ですが、輿水氏がこれら政府会議で果たす役割は「現場の代弁者」です。地方議員出身という経歴から、官僚主体の審議会でも地域の実情に即した発言を挟み、議論を具体化させる潤滑油になっています。
本人も「現場第一主義」を信条に掲げており²⁶、省庁の会議室においても机上の議論に終わらせない姿勢を示しているようです。総じて目立つ功績が表に出る場面ではありませんが、水面下で政策決定過程に確かな足跡を残していると評価できます。
5. 党内部会・議員連盟での活動
公明党内では、輿水氏は関東方面の幹事長を務めるなど組織運営にも関与しています²⁷。地方議員出身という強みを活かし、党の地方議会ネットワークを束ねる地方議会局次長を務めた経歴もあります²⁸。
また労働局次長や遊説局次長も歴任し、労働政策や選挙運動の分野でも党内基盤を支えてきました。こうした裏方の役職は有権者の目に触れにくいものの、党勢拡大の要として重要です。
地域課題の政策反映
実際、茨城・栃木など北関東エリアの地方議員と連携して地域課題を洗い出し、公明党の政策要望集に反映させるプロジェクトを主導した実績もあります(党関東方面本部でのヒアリング企画)。
超党派ユニセフ議員連盟での国際活動
議員連盟での活動も多岐にわたります。輿水氏は超党派ユニセフ議員連盟の幹事を務めており、2016年9月には同連盟メンバーとして中東のパレスチナ・イスラエル・ヨルダンを訪問し、現地の子供たちの支援状況を視察しました²⁹。
自民党の阿部俊子議員と行動を共にし、UNICEF関係者や各国政府・NGOとの意見交換を重ねたこの視察では、紛争地の厳しい現状を踏まえた日本の人道支援策強化が提言されています。輿水氏自身、「目の前で困っている子供を放っておけない」と帰国後の報告会で語り、政府開発援助(ODA)の充実や教育支援策の充実を訴えました。
建設職人支援の取り組み
国内では、建設職人の技能向上と地位向上を目指す日本建設職人社会振興議員連盟に加盟し、中小建設業の担い手支援策の立法に協力しています³⁰。この議連は自民・公明の与党議員が中心となって職人基本法の制定を目指す動きをしており、輿水氏も現場経験者の声を拾い上げる役割を果たしました。
防災・環境分野での専門性
さらに、防災・環境分野では気象防災推進議員連盟に所属し、近年激甚化する自然災害への対応力強化に情熱を注いでいます。2024年5月には公明党防災・気象議連などが合同で開催した「気象防災アドバイザー活用に関する会合」で座長役を務め、気象予報士の早川和広氏から専門的見地の提言を引き出しました³¹。
この会合では、自治体ごとに気象の専門家を配置する制度拡充や、住民への的確な避難情報提供の仕組みづくりについて議論され、輿水氏は「気象専門家の知見を地域防災力向上にもっと活かすべきだ」と強調しました。公明党はこうした提言を政府に働きかけ、防災士の普及や気象庁予算の確保につなげていますが、輿水氏もその推進役の一人です。
働き蜂タイプの貢献
以上のように、党内や議連での活動は政策の源流を形作る地道な作業です。輿水氏は派手なポストこそないものの、各分野の議員連盟や党プロジェクトに積極的に参画する"働き蜂"タイプの政治家といえます。
そこでは専門知識や現場感覚をもって議論に厚みを加え、結果的に政策提言を実現可能なものに練り上げる貢献をしています。特に子ども支援や防災といった領域では、公明党の政策力の源泉として重要な役割を果たしていると評価できるでしょう。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
輿水恵一氏のこの10年間の歩みを見ると、目立った不祥事やスキャンダルの記録は見当たりません。国会議員に付きものの政治資金問題でも、収支報告書の訂正や違法な献金受領などの報道は確認できず、極めてクリーンな政治活動を貫いているようです。
公明党のクリーン政治方針
これは「クリーンな政治の実現」を党是とする公明党の中でも模範的といえるでしょう。公明党自体、企業・団体献金を自主的に受け取らない方針をとっており、輿水氏個人の政治資金収支報告書も概ね少額の個人献金と党支部からの交付金で賄われているとみられます。
国会内で問題視された事柄としては、2023年に政治倫理審査会で公明党議員の団体パーティ券問題が議題に上った際、公明議員団として再発防止策を申し合わせたことがあったものの、輿水氏自身は直接関与せず説明責任を問われる場面もありませんでした。
政治改革への積極姿勢
倫理法や規正法の改正議論では既述の通り積極的な改革派の立場を取っており、自党に厳しいルールを課すことも厭わない姿勢です。2024年の政治資金規正法改正では、公明党提案の第三者機関導入が政府案に盛り込まれたことを受け「公明の意見が法案に反映された」と評価するコメントを公明新聞で出しています³²。
自民党の不祥事に対しても与党内から苦言を呈し、再発防止策の具体化を主導したと報じられました。こうした態度からもうかがえるように、輿水氏は清潔な政治姿勢を崩さず、汚名を着るような事態を未然に防いでいます。
政治資金の透明性
政治資金の透明性確保については、公明党議員全般に言えることですが、収支報告書の公開に積極的です。輿水氏の関連政治団体の収支報告書(「輿水恵一後援会」など)も総務省の公開データで閲覧可能で、毎年の経理報告は極めて簡素です。
地元事務所費や人件費も控えめで"カネのかからない選挙"を体現しているとの評価もあります。実際、2017年落選時も政党交付金頼みの選挙戦で個人演説会すら質素に行ったエピソードが伝えられています(支持者の証言)。
要するに、政治とカネの面では有権者が懸念するような要素は乏しく、このクリーンさ自体が輿水氏の政治資産といえるでしょう。
7. SNS・情報発信活動
現代の政治家にとってSNS発信は欠かせませんが、輿水氏はTwitter(現・X)を中心に地道な情報発信を行っています。
Twitter活動の特徴
フォロワー数は約4千人(2025年8月現在)と国会議員としては控えめながら、日々の活動報告や選挙区内外の出来事を丁寧に発信して支持者との交流を図っています³³。
例えば2021年衆院選の最終盤には「マイクを使っての選挙戦、残り3時間!惜敗を忘れたことはない。断じて勝利しご恩返しを」と決意をツイートし、フォロワーや支持者に最後の奮起を呼びかけました³⁴。
このツイートからも人柄がにじみ出ていますが、愚直なまでに誠実な語り口で政策への思いと支援への感謝を綴るスタイルが特徴です。
メールマガジンとその他の発信活動
輿水氏は自身の公式サイトでメールマガジン「今日の決意」を毎日配信するユニークな試みも続けています³⁵。登録者には日々の所感や活動予定がメールで届けられ、SNSを利用しない支持層(高齢者など)とのコミュニケーションにも腐心している様子が伺えます。
また、公明党のYouTubeチャンネルやネット番組にも時折出演し、自身の政策を肉声で語る場を設けています。2023年には党青年局主催のオンラインフォーラムで講師役を務め、デジタル人材育成策について講演する動画コンテンツが公開されました。こうした露出により、公明党支持層以外にも情報発信の幅を広げようとする努力が見られます。
フォロワーの推移と反響
Twitterのフォロワー推移を見ると、2021年の復帰当選直後に増加し、その後は横ばいですが、2024年の選挙前後に再び微増しています(有権者との双方向対話を心がける地道な増加)。
特定の投稿がバズることは少ないものの、例えば前述の選挙戦投稿には多くの激励リプライが寄せられ、「愚直に誠実に政策を前に進め、日本の希望の未来を拓きます!」という輿水氏の言葉に共感が集まりました。
SNS戦略の評価
FacebookやInstagramのアカウントも開設していますが更新頻度は低く、SNS戦略は専らTwitter中心と言えます。これは公明党議員に共通する傾向で、支持母体の創価学会や地域後援会とのリアルな結びつきを重視しているためですが、輿水氏も例に漏れず「足で稼ぐ」選挙を信条としています。
その分、SNSは補完的ツールという位置づけで、炎上狙いや挑発的な発言とは無縁の穏当な発信に徹している点も好感が持てます。
8. 公約実現度の検証
最後に、公約と実績のギャップについて検証します。輿水氏が直近のマニフェストで掲げた政策テーマと、この10年間の国会発言・立法実績とを照らし合わせると、おおむね一致している部分が多いものの、実現に至っていない課題も散見されます。
物価高対策・所得向上分野
まず物価高対策と所得向上については、公明党が主導した燃油高騰対策や中小企業支援策が政府に受け入れられ、一定の成果を上げました。輿水氏自身、予算委員会の場で「原油価格高騰の補助上限引上げ」や「持続的な賃上げのための下請け支援策」を訴え、実際に政府は補正予算でガソリン補助金の拡充や価格転嫁対策を講じました。
ただし、物価上昇そのものは続いており消費税減税など抜本策は打ち出せていません。この点、公明党内でも消費税率据え置きを容認する立場の輿水氏は「一時的な給付措置で生活を下支えすべき」と繰り返し主張しており、恒久減税を求める野党とはスタンスが異なります。
結果的に2023–24年の物価高対応は一時金給付にとどまり、所得向上も道半ばで、公約とのギャップは「景気回復による賃金上昇待ち」という形で残りました。
子育て支援・教育無償化分野
子育て支援・教育無償化については、公明党の粘り強い提案が実り、公約に掲げた児童手当の拡充が実現段階にあります(所得制限撤廃と18歳までの支給延長が段階的に実施中)³⁶。
輿水氏も地方議会出身の経験から、「子育て支援は自治体が主役。財源措置を国が責任持って行うべき」と訴えてきました。実際、彼の地元さいたま市では独自施策で第3子以降の保育料無料化を進めており、そうした現場の取り組みを国全体に広げる形で公約が実現しつつあります。
ただ待機児童問題や教育費負担軽減(高校・大学無償化の拡大)は、未だ道半ばです。輿水氏は委員会質問で「『小1の壁』を打破する学童保育拡充」「給付型奨学金の更なる拡充」を求めましたが、政府回答は概ね「検討する」にとどまっています。公明党が与党内で孤軍奮闘する形となり、公約実現には今後も課題が残ります。
高齢者支援・医療福祉分野
高齢者支援・医療福祉の分野では、輿水氏は難病患者支援の拡充に尽力し成果を上げました。彼はかつて難病支援団体からの声を国に届け、指定難病の医療費助成対象疾患数を当初56から333へ大幅拡大させた立役者の一人です。この公約項目はほぼ達成と言えます。
また、公約に掲げた介護人材確保策についても、外国人介護人材の受入拡大や処遇改善加算の拡充が進みました。一方、年金額の実質引上げや高齢ドライバー対策などは具体策が見えず、公約とのギャップとなっています。
輿水氏は地方ヒアリングで高齢者の移動支援(デマンド交通など)の必要性を訴えましたが、国の施策は追いついていません。
防災大国分野
防災大国の実現では、公約に掲げた政策の多くが政府方針化されました。例えば「防災気象アドバイザー配置」は2024年度からモデル事業が始まり、輿水氏の所属議連の提言が実を結びました³⁷。また、備蓄米の活用や住宅耐震化支援の拡充なども、予算措置が講じられています。
ただ、近年頻発する大規模災害への対応は追いつかず、公約がめざす「防災省創設」「災害対応の司令塔機能強化」など制度改革面ではなお課題です。輿水氏は防災士資格の普及や自治体の防災計画見直しなど地道な提案を重ねていますが、制度面の抜本策はこれからの検討課題となっています。
政治改革・行政改革分野
政治改革・行政改革については、2024年の一連の政治資金規正法改正で一定の前進があり、公約との整合性は取れています。公明党の提唱した寄附規制強化策が法改正に盛り込まれたことは既に触れましたが、輿水氏はさらに「領収書の全面公開」や「企業・団体献金の在り方見直し」にも言及しています。
しかし与党内調整の結果、公約ほど踏み込めなかった事項も残りました。行政のデジタル化(マイナンバー制度)は公約の柱の一つでしたが、システム紐付けミスなど課題が噴出し、輿水氏自身も2023年の国会で再三「国民の不安払拭」を求めました。
完全な一本化への道筋はまだ描けておらず、公約の掲げるデジタル化目標の達成は遅延気味です。
公約実現度の総合評価
このように、公約と実績を細かく比べれば幾つかのギャップはありますが、その多くは政策のスケジュールや制度設計上の調整過程で生じたものであり、輿水氏個人が怠慢だったわけではありません。
むしろ「公約実現率」の高さは公明党議員の中でも上位と推察され、掲げたことは必ず追求する信条が感じられます。
総括
総じて輿水恵一氏の2015~2025年の政治活動は、公明党の掲げる政策を着実に具体化し、地域と国政を橋渡しする役割に徹した10年だったと言えるでしょう。華々しさはなくとも、有権者の生活感覚に根差した丁寧な政治姿勢は評価に値します。
今後の課題は、これまで培った経験をさらに大きな改革へ繋げられるかです。党茨城県代表として迎える2025年の統一地方選・参院選、さらには次期衆院選に向け、輿水氏がどのような新たな政策提起を行っていくのか注目されます。
有権者としても、本レポートを通じて輿水氏の歩みとスタンスを把握し、その働きぶりを適切に評価していきたいところです。
参考資料
公式資料
- 復興副大臣 輿水恵一 プロフィール | 首相官邸ホームページ [¹]
- TOPページ - 衆議院議員 輿水恵一 [²][²⁷][³⁵]
- 輿水恵一 - Wikipedia [³][⁴][⁷][²⁴][²⁸]
- 衆議院議員名簿・衆議院
- 総務省政治資金収支報告書データベース
議会資料
- 衆法 第183回国会 41 公職選挙法の一部を改正する法律案 - 衆議院 [¹⁴]
- 衆法 第189回国会 28 公認心理師法案 - 衆議院 [¹⁵]
- 第192回国会 総務委員会 第4号 - 衆議院議員 輿水恵一 [¹⁸]
- 輿水恵一 衆議院議員 基本情報と活動実績 [¹³][²²]
- 復興推進会議議事録 [²⁵]
党資料
9-11. 公明党マニフェスト2024 [⁹][¹⁰][¹¹] 19. 公明の意見 法案に反映 | ニュース | 公明党 [¹⁹][³²] 31. (議員サポート)災害から地域を守る気象の専門家活用さらに - 衆議院議員 輿水恵一 [³¹][³⁷]
報道資料
- 【茨城新聞】公明党茨城県本部 代表に輿水氏 [⁵][²⁶]
- 【茨城新聞】参院選勝利へ「突破口」 公明党茨城県本部 輿水氏、新代表に就任 [⁶]
- 公認心理師:文部科学省 [¹⁶]
- 公認心理師登録者数の推移 | カウンセリングの現場から [¹⁷]
- 2016年のユニセフ議員連盟(超党派)の活動 | UNICEF東京事務所 [²⁹]
- 日本建設職人社会振興議員連盟 名簿 [³⁰]
SNS・動画資料
12,23,36. 2022/01/26 衆院予算委員会 輿水恵一衆院議員 - YouTube [¹²][²³][³⁶] 20,34. 輿水恵一 【公明党】北関東ブロック on X [²⁰][³⁴] 21,33. 輿水恵一 【公明党】北関東ブロック (@koshimizu_k1) / X [²¹][³³]
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。