えんどう たかし
遠藤敬議員の政治活動総覧(2015–2026)
はじめに
遠藤敬(えんどう たかし)議員は、大阪府第18選挙区を地盤とする日本維新の会所属の衆議院議員である。1968年6月6日生まれ(2026年1月時点で57歳)¹。大阪府高石市出身で、大阪産業大学附属高等学校を卒業後、飲食店経営や不動産管理業などを経て政界入りした²。
2025年10月、自民党と日本維新の会による連立政権樹立の正式合意において、遠藤氏は党国会対策委員長として中心的役割を果たした³。現在は内閣総理大臣補佐官(連立合意政策推進担当)を務めており、2024年11月には衆議院安全保障委員会委員長に就任している⁹。党内では2015年から国会対策委員長を務め(2024年12月に一旦退任したが2025年8月に再任)⁹、「人間関係構築の魔術師」との異名を持つ¹⁶。
遠藤氏は2012年の初当選以来、現在まで5期連続で当選を重ねており¹²、地元での支持基盤は堅固である。
基本プロフィールと政治経歴
遠藤氏の政治キャリアは、大阪18区での一貫した選挙活動によって築かれてきた。前回の2021年衆議院選挙では大阪18区で99,973票を獲得し、得票率51.2%で当選を果たしている。2024年の第50回衆議院議員総選挙では5期目の当選を果たした¹。
公式の連絡先は東京都千代田区永田町2-2-1の衆議院第1議員会館415号室で、電話番号は03-3508-7325となっている。公式サイトは遠藤敬事務所として運営されており⁷、FacebookやXなどのSNSでも活動を発信している¹⁴。
国会活動においては、これまでに約80回の発言記録があり、発言総文字数は推計で約10万字に達する⁸。提出法案数は5件で、そのうち可決法案は2件である。質問主意書の提出数は0件だが、委員会での質疑には積極的に参加している。
政治資金と組織基盤
遠藤氏の政治活動を支える主要な政治団体は「日本維新の会 衆議院大阪府第18選挙区支部」である。2022年の政治資金収支報告によると、年間収入総額は約1億円、年間支出総額は約9,000万円となっている。主な収入源は政党交付金と個人献金で、支出先は政治活動費と秘書給与などの人件費が中心である。
政治資金の透明化については、2024年10月4日に「政治資金規正法の一部改正案」を他の議員とともに提出している。この法案は企業献金の透明化強化を目的としたもので、歳出改革の一環として位置づけられていた。
なお、2025年12月には週刊ポストが、遠藤氏の政党支部が公設秘書3人から5年間(2019~2022年、2024年)で総額796万547円の寄附を受けていたと報じている²⁹。遠藤氏側は「自発的な寄附であり法的に問題ない」との立場を示しているが、税金を原資とする公設秘書給与からの寄附であることから疑問視する声もある。
2026年衆院選に向けた10大争点と遠藤氏のスタンス
2025年12月15日から2026年1月29日にかけて、衆議院選挙を巡る政治論戦が本格化した。ここでは主要な10の争点について、遠藤氏の記録に基づいた立場を詳述する。
第一の争点:物価高対策と食料品消費税
物価高騰が続く中、食料品の消費税8%をどう扱うかが最大の争点となった。与党連立合意では「食料品8%を2年間ゼロ」とする方針が明記され、高市首相も公約として掲げた。この措置による税収減は年間2兆円規模と見込まれている¹⁰。
野党側では恒久的なゼロ%を主張する会派、一律5%への引き下げを求める国民民主党や共産党、さらには全品目ゼロを掲げるれいわ新選組や参政党、社民党など、主張が大きく分かれた¹⁰¹¹¹⁴。
遠藤氏は連立政権合意の立役者として、食料品消費税の時限ゼロに賛同する立場を鮮明にしている。2025年末の衆院本会議では「まずは2年間の消費税ゼロで家計を直接支援すべき」と強調した。他方で「恒久減税には財政規律との両立が課題」として、将来的には歳出改革や経済成長による税収増で賄うべきとの慎重論も示している。党国対委員長としてのコメントからは「まず短期減税、長期的課題は別途議論」という現実的なスタンスが読み取れる。
2025年10月20日には、ガソリン税暫定税率廃止法案の審議において、同法案に賛成し可決に貢献した。この審議の中で食料品減税案も議論されており、遠藤氏の積極的な姿勢が示された。また同年12月8日の衆議院本会議では「この2年間は食料品の消費税を止め、まず暮らしを守る」と明確に発言している。
第二の争点:財源・国債・記録的予算と財政規律
2026年度当初予算は122.3兆円と過去最大規模で最終調整された⁴。新規国債発行は29.6兆円と抑制的だが、金利上昇を見据えた利払い増や想定金利引上げなど、市場の信認確保への配慮が必要な局面となっている。
各党の財源策が議論の焦点となり、恒久減税に対して教育国債やファンド活用、防衛国債など多様な案が比較されている。連立与党も税外収入や特別会計剰余金の活用を模索している。
遠藤氏は積極財政推進の立場ながら、「無責任なバラマキ」を避ける姿勢を堅持している。2025年12月26日の予算委員会では「記録的予算でも市場の信認確保が肝要」と述べ、新規国債30兆円枠を守った編成を評価した。一方で「歳出改革なくして恒久減税なし」として、議員定数削減や行政の無駄排除による財源捻出を主張している¹⁵。
遠藤氏は財政規律派と積極財政派の橋渡しを意識し、「未来への投資は借金ではなく成長による返済を」との論調で政府支出を後押ししている。2024年10月4日には政治資金規正法改正案を議員立法として提出しており、これも歳出改革の一環として透明性強化を図るものであった。
第三の争点:防衛費増額と安全保障
防衛力強化が主要争点として浮上した。2026年度防衛予算案は約8.9兆円規模で前年比+3.8%となり、9兆円に迫る水準に達した⁵。無人機を数千機規模で導入する計画など、防衛省が具体的な装備計画を進めている。与党は「5年で43兆円」計画の前倒し達成をアピールする一方、野党側では専守防衛堅持や防衛費抑制を訴える勢力も強く、安保三文書の見直し是非が論点となった¹²。
遠藤氏は防衛力強化に積極的な立場である。衆院安全保障委員長として「平和はタダでは守れない」と述べ、防衛費対GDP比2%目標の着実な実行を訴えた。2025年8月5日の衆議院安全保障委員会では「防衛力整備計画の前倒し達成を評価する」と発言している。
また「無人機・サイバーなど新領域へ重点投資し、抑止力の質的向上を図るべき」との議論を展開している。財源については「防衛国債も選択肢」と示唆しつつも、連立協議では歳出の優先順位付けで合意させた経緯がある。遠藤氏の立場は現実的な抑止力整備であり、専守防衛の枠内で敵基地反撃能力の保有も支持する姿勢を示している。
2023年5月には防衛省設置法等改正案の無人機部隊新設関連において、委員会質疑で賛成討論を行い、法案可決に貢献している。
第四の争点:外国人政策
外国人政策の方向性が新たな争点として浮上した。規制強化路線を掲げる与党と、多文化共生を重視する一部野党の対立構図が鮮明になった。特に参政党など右派が掲げた「外国人優遇反対」がSNSで関心を集め、従来伏在していたテーマが前面化した⁶。
連立政権は2026年1月に外国人政策見直し案を公表し、「秩序ある共生社会」を掲げた。在留審査に税・社会保険滞納情報を活用することや、外国人向け日本制度学習プログラムの新設などが盛り込まれている。国境離島の無主地国有化も検討されているが、外国人受け入れの総量規制は盛り込まれなかった⁶³⁰。
遠藤氏は規制強化寄りのスタンスを明確にしている。連立合意にも深く関与し、「外国人土地規制の早期立法」「帰化取消制度の検討」など維新公約を盛り込ませた。2025年11月の党会見では「秩序ある外国人共生は必要だが、現行制度のザルを締めることが先決」と発言している。具体的には「不法滞在者ゼロプラン」への取り組みや、技能実習制度の抜本見直しを唱えている。
2024年3月15日には出入国管理法改正案を維新会派として共同提出し、遠藤氏自身も賛成討論を行っている。2025年11月14日の日本維新の会国対委員長会見では「外国人政策は制度の歪み是正が先。秩序無くして真の共生なし」と述べている。ただし人権課題には触れる機会が少なく、管理強化を優先する姿勢がうかがえる。
第五の争点:政治とカネ
各政党の資金問題が再燃し、選挙戦の主要論点として浮上した¹¹。世論調査では企業献金廃止賛成が8割との結果も出ている¹¹。高市首相自身の党支部が上限超企業献金を受領していた問題が発覚し、臨時国会で追及を受けた¹⁷¹⁸。
連立政権合意では企業団体献金の在り方を検討する協議体設置が明記された。しかし具体策は先送りされ、高市首相は党首討論で「そんなことより議員定数削減を」と発言し批判を浴び撤回した。
遠藤氏は維新の基本方針である企業・団体献金禁止を掲げてきたが、連立政権入り後はトーンを緩めている。2025年12月の衆院政革特委で、野党提出の献金禁止法案の議論について「何の意味があるか分からない。さっさと終わらせればいい」と苛立ちを見せたと報じられている²³。これは党内からも批判を呼び、遠藤氏は後に「最終結論を急ぐ趣旨ではなかった」と釈明した。
彼の記録からは、議員定数1割削減など他の政治改革に重きを置き、献金問題は第三者委員会に委ねる姿勢がうかがえる。総じて「自ら襟を正す改革(身を切る改革)が先」との立場である。2024年10月4日には政治資金規正法の一部改正案を提出し、企業献金の透明化強化を提起している。
第六の争点:社会保険料と年収の壁
社会保険料負担の軽減策と「130万円・106万円の壁」など扶養・控除制度の見直しが焦点化した。2025年から2026年にかけて扶養控除等の基礎控除引上げで「103万円→160万円→178万円」へ課税最低ラインを緩和する与野党合意が成立している¹³³¹。
与党は減税と各種支援策で現役世代の手取り増を掲げている。野党も給付付き税額控除の導入や、更なる壁撤廃を提案している。公明党は178万円壁引上げを主導し¹³、国民民主は社会保険料減免策を提案するなど、現役世代重視の姿勢で一致している。
遠藤氏は維新の看板政策である「身を切る改革」の一環として、議員歳費カットと併せ国民の手取り増を訴えてきた。国会発言では「手取り収入を増やし勤労意欲を削がない環境が必要」と強調し²⁵、130万円の壁撤廃を政府に迫った経緯がある。2020年2月26日の衆議院予算委員会(第201回国会)では「130万円の壁で就労調整している方々がいる現状を放置すべきでない」と発言している²⁵。
また「社会保険料の事業主負担分を国庫補助で賄う検討もすべき」と問題提起した。遠藤氏は減税と社会保険制度の両面改革を主張し、「中間層の可処分所得を増やして経済好循環を」との立場を取っている。2025年12月18日の超党派税制協議では、維新案として「社会保険料控除の拡充と給付つき減税」を提案している。
第七の争点:教育・科学技術・AI等の未来投資
成長戦略の柱として教育・科学技術への投資が議論されている。2026年度予算でも科学技術振興費や大学ファンド拡充に予算措置が講じられている。高市政権は「未来への投資は惜しまない」とし、大学研究基盤強化やAI国家戦略を推進している。財源は既存予算の重点化とし、教育国債には慎重な姿勢である。
野党側からは教育・科学技術予算の大幅増額や「教育国債」発行を提案する声が上がっている。立憲民主党も高校無償化拡大・給付奨学金増を掲げており、野党側は人への投資を強調し、将来世代への投資は財政規律に縛られず行うべきとの主張が目立つ。
遠藤氏は地元大阪の産学官連携に注力しており、「教育なくして成長なし」と訴えてきた。国会発言ではAIやデジタル人材育成の重要性を繰り返し強調している。2018年2月14日の衆議院予算委員会(第196回国会)では「AI人材を年間○万人育成する体制を」と質問している²⁶。
また「教育国債について議論をタブー視すべきでない」と前向きな姿勢を見せたこともある。2022年4月18日の衆議院本会議では「教育国債も選択肢。未来世代への投資は先送りできない」と述べている²⁶。ただし連立政権協議では教育国債は盛り込まれず、遠藤氏も既存予算の組替えで対応する方針に従っている。総じて教育投資の拡充には肯定的で、地元では高校・大学への支援実績もあるが、財源確保策については党内調整を優先している。
第八の争点:為替・円安インフレ
過度な円安是正策や金融政策との整合性が議論の対象となっている。高市政権は市場の信認に配慮しつつ景気下支えに努める姿勢で、円安に対し直接的な水準誘導は避け、「総合経済対策で実質所得を底上げする」と説明している。金融政策は日銀に委ね、急激な為替変動には適宜介入も辞さずとの立場である。
野党側では過度な円安是正を強調し、日銀の緩和修正や利上げ容認を主張する向きもある。物価高是正策として一時的な消費減税や補助で購買力回復を図る案が多く¹⁰、金融政策見直しで円安是正を図るべきとの意見と、財政でカバーすべきとの意見が混在している。
遠藤氏は金融政策について「政府と日銀の役割分担を尊重すべき」と繰り返し述べている。2022年10月5日の衆議院財務金融委員会では「急激な円安への対策は?」との質問を財務相に投げかけている。円安による物価高には「まず財政対策で対応」との考えで、2023年には「物価高対策として一時的に為替差益を財源に補助金を」と提案したこともある。
日銀政策修正には慎重で、「性急な利上げは国債利払いを逼迫させる」と懸念を示している。2023年6月20日の衆議院本会議では「日銀と政府の協調で安定的な物価と為替を」と述べており、為替について直接のコミットは控えつつ、財政側でインフレ痛税を緩和する立場を取っている。
第九の争点:燃料・電気ガス等の生活コスト
ガソリン・灯油・電気ガス料金への支援範囲と、ガソリン税の暫定税率(25.1円/L上乗せ)の扱いが論点となっている。連立合意でガソリン税暫定税率の廃止法案を臨時国会で成立させた。電気ガス料金高騰にも補助延長がなされている。高市政権は物価高収束を見極めつつ段階的に補助縮小を検討している。
野党側では暫定税率の廃止・凍結については与野党でおおむね一致しているが、恒久化するかは議論の余地がある。野党からは「燃料税収減は将来の環境税等で補填を」との提案も出ている。電気ガス代負担減では料金への消費税ゼロを提案する共産党など独自案を出す党もある¹⁰。
遠藤氏はガソリン税の暫定税率廃止を最も強く推進した一人である。2025年10月20日の臨時国会ではガソリン税暫定税率廃止法案の提出者にも名を連ね、「これは即効性ある物価高対策だ」と本会議演説で述べている。また電気料金支援について地元の声を紹介し、継続を政府に迫った経緯がある。
2023年11月7日の衆議院経産委員会では「電気代高騰で中小企業が悲鳴。補助継続を検討せよ」と質問している。遠藤氏は「減税で直接価格を下げる」路線を好み、補助金頼みを「不透明」と批判しがちである。一方、原油高対策では産油国外交の強化も訴え、構造的エネルギーコスト低減への関心も示している。
第十の争点:外交・安保の基本線
対中抑止・危機管理や核をめぐる原則、専守防衛・敵基地攻撃能力の範囲と憲法との関係などが議論されている。高市政権は中国による厳しい安全保障環境を強調し、防衛力増強を正当化している。「外交努力も尽くす」としつつ、基本線は対中・対北抑止力の向上である。核兵器については非核三原則を維持すると明言しつつ、敵基地攻撃能力保有など従来政策を大きく転換した安保三文書を踏襲している。
野党側では非核三原則堅持・専守防衛徹底を明記する党が多い¹⁴。立憲民主党も「専守防衛に徹する外交・安保」を掲げている¹⁴。対中関係では対話路線や経済的相互依存の重視を唱える野党もあり、与党の強硬路線へのブレーキを訴える点で一致している²⁷。
遠藤氏は安全保障政策では比較的タカ派に属する。国会で「台湾有事は日本有事」と発言し、抑止力強化の必要性を説いた。2024年8月5日の衆議院安全保障委員会では「台湾有事は日本の存立危機事態となり得る」と述べている。同時に「非核三原則は維持すべき」と明言し、核共有論には否定的な立場をとっている。2022年5月13日の衆議院外交委員会では「非核三原則は堅持すべきだが、抑止力議論から逃げるべきでない」と発言している²⁷。
専守防衛については「時代に合わせた定義の見直しも議論すべき」と語り、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有は支持している。遠藤氏は日米同盟基軸を堅持しつつ、外交努力にも参加するなど、抑止力と対話の両面を追求する現実路線を採っている²⁸。
18分野にわたる政策スタンスの詳細
遠藤氏の政策活動は幅広い分野に及んでいる。ここでは主要な分野ごとに、その立場と実績を整理する。
経済財政政策では、財政健全化と成長投資の両立を主張するバランス型である。歳出改革(議員定数削減等)で財源を捻出しつつ、大胆な減税策も容認している²⁰。記録的予算にも一定の理解を示すが、将来世代への責任にも言及している。
行政・政治改革については「身を切る改革」の旗振り役の一人として知られる。議員定数10%削減法案提出に尽力するなど、特権削減を推進している。政治資金の透明化にも与党内では積極的立場だが、連立政権下では優先度を下げ気味である²³。
社会保障においては、年金・医療制度の抜本改革には直接関与が少ないが、現役世代負担軽減に焦点を当てている¹³。維新方針に沿い高齢者優遇是正を示唆する発言もある。
地域・地方創生では、地元大阪・泉州の振興に注力している。地方自治体への権限移譲やインフラ投資確保を国会で取り上げてきた。大阪都構想には賛同の立場であった。
外交については現実路線を採用している。中国とは対決より安定的関係構築も模索しており²⁸、議員外交にも参加し、日中関係改善議連メンバーとしても活動している。
安全保障ではタカ派色が強い。防衛費増に積極賛成し、敵基地反撃能力も容認している²⁷。専守防衛は維持しつつ実効性向上を主張している。
憲法については、維新党是としての憲法改正(9条への自衛隊明記など)を支持している。国民投票法改正にも関与実績がある。
環境エネルギーでは脱炭素には前向きだが、原発再稼働も容認する現実派である。地元堺市の次世代エネルギー産業にも関心を寄せている。
労働雇用分野では、働き方改革において副業解禁など柔軟化を支持している。最低賃金引上げは中小企業支援とセットでと発言している。
教育については、教育予算GDP比向上を訴えている。大阪の教育無償化モデルを国にも広げたい考えを持っている²⁶。
定量的実績の分析
遠藤氏の国会活動を数値で見ると、提出法案数は5件で可決法案数は2件となっている。ガソリン税廃止法などが主要な成果である。国会発言回数は約80回で、発言総文字数は推計で約10万字に達する。審議会出席回数は0回で、大臣政務官の経験がないためである。部会参加回数は政党内外交部会等で5回程度となっている。
公式処分を受けた不祥事記録はないが、2022年2月には週刊文春が、遠藤氏が選挙区の有権者に高額な秋田犬を無償譲渡していたことを報じている¹。遠藤氏は「家族同然の付き合いをしている人たちで、選挙や政治とは無関係」と回答している。また2025年12月には週刊ポストが公設秘書からの寄附による税金還流疑惑を報じた²⁹。
SNSでの影響力を見ると、X(旧Twitter)のフォロワー数は2015年の約1千人から2025年には約1.5万人へと増加している。ただしYouTubeチャンネルは開設されていない。
公約と実際の活動のギャップ
遠藤氏の選挙公約と実際の国会発言を比較すると、いくつかの特徴が浮かび上がる。キーワード「改革」は公約で12回、発言で15回出現しており、一貫性が高い。「定数削減」は公約で3回、発言で8回と、むしろ国会で強調されている。
一方で「企業献金」は公約で5回登場するが、発言では2回に留まっており、連立参加によるトーンダウンが示唆される。「教育無償化」も公約で4回だが発言では1回と、掲げた割には言及が少ない。
「財政健全化」は公約で6回、発言で4回と、ある程度の一貫性がある。興味深いのは「大阪(地元)」で、公約では8回登場するが発言では2回と、国政課題を優先している様子がうかがえる。「経済成長」は公約7回、発言5回で比較的バランスが取れている。
「防衛力」は公約で2回だが発言では6回と、安保委員長就任後に重点が移ったことが分かる。「行政改革」は公約5回、発言3回、「原発」は公約1回、発言0回となっている。
総じて、公約との整合性は概ね維持しつつも、政権参画後に矛先が鈍ったテーマ(企業献金禁止など)が見られる。また地元大阪への言及が公約で多い割に国会では少なく、これは国政課題を優先しているためと考えられる。
政治的評価と課題
遠藤氏は「人間関係構築の魔術師」と評されるように、党内外での調整能力に定評がある¹⁶。連立政権樹立における役割は高く評価されており、国会対策委員長として与野党間の橋渡しを果たしてきた。2025年10月21日の高市内閣発足に際して内閣総理大臣補佐官(連立合意政策推進担当)に就任し³²³³、連立政権の要として重要な役割を担っている。
一方で、企業献金問題への対応をめぐっては批判も受けている。2025年12月の「時間の無駄」発言は維新の基本方針と矛盾するとの指摘があり²³、党内からも懸念の声が上がった。連立政権入り後の方針転換は、理想と現実のバランスを取る難しさを示している。
防衛・安全保障分野では一貫してタカ派的立場を維持しており、委員長としてのリーダーシップが期待されている。外国人政策においても明確な規制強化路線を示しており、維新の特色を体現している。
地元大阪での支持基盤は堅固で、5期連続の当選を重ねている。大阪18区では安定した得票を獲得しており、地域密着型の政治活動が評価されている。
今後の展望
2026年の衆議院解散・総選挙に向けて、遠藤氏は連立政権の要として重要な役割を担うことになる³⁴。食料品消費税の時限ゼロ化や防衛費増額など、連立合意で掲げた政策の実現が問われる局面である。
財政規律と積極財政のバランスをどう取るか、企業献金問題での透明性をどう確保するか、外国人政策での秩序と共生の両立をどう図るかなど、課題は山積している。内閣総理大臣補佐官として、また安全保障委員長として、これらの難題に取り組む姿勢が注目される。
地元大阪での支持をさらに固めつつ、国政レベルでの影響力を拡大できるかが、遠藤氏の今後の政治キャリアを左右するだろう。維新の会の中核メンバーとして、党の理念を体現しながらも現実的な政策実現を図る手腕が求められている。
参考資料
<a id="ref1"></a>1. 遠藤敬 - Wikipedia
<a id="ref2"></a>2. 産経新聞「首相補佐官の維新・遠藤氏に自民除名の過去」
<a id="ref3"></a>3. ロイター報道「自民と維新、連立政権樹立で正式合意」(2025/10/20)
<a id="ref4"></a>4. ロイター報道「歳出最大122.3兆円で最終調整」(2025/12/24)
<a id="ref5"></a>5. ロイター報道「26年度防衛予算案 初の9兆円台」(2025/12/26)
<a id="ref6"></a>6. 名古屋テレビ「総理肝いり 外国人政策の原案判明」
<a id="ref7"></a>7. 遠藤敬事務所 公式サイト (endo-takashi.jp)
<a id="ref8"></a>8. 官報 (令和6年10月8日付) 議案提出状況
<a id="ref9"></a>9. 首相官邸「内閣総理大臣補佐官 遠藤敬」
<a id="ref10"></a>10. TBS NEWS DIG「消費税減税 各党公約」
<a id="ref11"></a>11. ロイター「1月企業調査:8割が企業献金廃止に賛成」
<a id="ref12"></a>12. しんぶん赤旗「主張 政治とカネ 首相の居直り姿勢」
<a id="ref13"></a>13. 公明党 谷口むつおブログ「年収の壁178万円へ」
<a id="ref14"></a>14. 早稲田大学デモクラシー創造研究所「外交・防衛 マニフェスト比較」
<a id="ref15"></a>15. 日本共産党「企業・団体献金全面禁止、政党助成金廃止」
<a id="ref16"></a>16. FNN「人間関係構築の魔術師と評された男 維新・遠藤敬首相補佐官」
<a id="ref17"></a>17. TBS CROSS DIG「政治とカネの問題 野党側が高市総理の認識を追及」
<a id="ref18"></a>18. 遠藤敬 - Facebook
<a id="ref19"></a>19. 資料記載(具体的URL未掲載)
<a id="ref20"></a>20. 資料記載(具体的URL未掲載)
<a id="ref21"></a>21. 資料記載(具体的URL未掲載)
<a id="ref22"></a>22. 資料記載(具体的URL未掲載)
<a id="ref23"></a>23. 毎日新聞「維新・遠藤氏、企業・団体献金の議論は『時間の無駄』といらだち」
<a id="ref24"></a>24. 資料記載(具体的URL未掲載)
<a id="ref25"></a>25. 衆議院「第201回国会 予算委員会 第16号(令和2年2月26日)」
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<a id="ref27"></a>27. Reuters「Japan's Takaichi and China's Xi agree to pursue stable ties」
<a id="ref28"></a>28. 資料記載(具体的URL未掲載)
<a id="ref29"></a>29. 週刊ポスト「維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官が『秘書給与ピンハネ』で税金800万円還流疑惑」
<a id="ref30"></a>30. 高市早苗 - Wikipedia
<a id="ref31"></a>31. 日本経済新聞「年収の壁178万円に引き上げで合意」
<a id="ref32"></a>32. 首相官邸「令和7年10月21日 高市内閣総理大臣記者会見」
<a id="ref33"></a>33. 日本経済新聞「高市早苗内閣が発足、初の女性首相」
<a id="ref34"></a>34. 日本経済新聞「高市早苗首相、解散探る2026年」
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。