のま たけし
野間健議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
野間健(のま たけし)は1958年10月8日、東京都世田谷区で生まれ、鹿児島県日置市を主な拠り所とする政治家です12。
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、総合商社に勤務し3、その後松下政経塾に入塾して政治志向を深めました2。地元の先輩である松下忠洋衆議院議員の政策秘書や、松下氏が金融担当大臣等に就いた際の秘書官を務めた経歴も持ちます456。
1993年に新生党公認で旧東京5区から国政選挙に初挑戦するも落選し、その後鹿児島に活動の場を移しました6。2005年の第44回衆院選では民主党公認で鹿児島3区から出馬したが次点に終わります6。
しかし2012年、地域政党・国民新党の公認を得て同区補欠選挙に挑み惜敗した後、同年末の第46回総選挙で初当選を果たしました7。以降、鹿児島3区選出の衆議院議員として累計4期当選しています(2012・2014・2021・2024年)8。
2017年の第48回総選挙では希望の党から出馬して一度議席を失いましたが9、4年後の2021年に立憲民主党公認で国政復帰し、2024年の第50回総選挙でも小選挙区で再選されました10。
在職期間中に所属政党は目まぐるしく変遷したものの(無所属、新生党、民主党、国民新党、希望の党、旧国民民主党等を経て、現在は立憲民主党)11、一貫して地域重視・生活者重視の信念を掲げています。
野間氏は立憲民主党所属の衆議院議員(鹿児島県第3区選出)として、2025年時点で66歳です。衆議院では農林水産委員会筆頭理事など要職を歴任し、党内でも国会対策委員会副委員長(一期生担当班長)や「有人国境離島政策PT」座長、高病原性鳥インフルエンザ等対策本部事務局長代理といった役職を務めています12。
国民新党時代には政務調査会長(第7代)兼国会対策委員長(第6代)という要職にも就いており13、政策立案や与野党折衝の経験が豊富です。議員生活の中断期間(2017–2021年)も含め地域活動を粘り強く続け、再起後は「日本一の御用聞き」を自任して有権者の声を汲み上げる政治に邁進しています5。
本レポートでは、2015年から2025年7月末までの10年余りを分析対象期間とし、野間健議員の政治活動全般を網羅的に検証します。政策公約の内容とその実現状況、国会での立法・発言活動、行政の審議会や党内組織での取り組み、政治資金や倫理上の問題、情報発信の戦略など、多角的に分析することで、野間氏の政治家像と足跡を浮き彫りにしたいと思います。有権者が本レポートを通じて野間議員の歩みとスタンスを深く理解し、公正に評価できることを目的としています。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
野間健議員が直近の衆院選(2024年10月)で掲げた選挙公約からは、彼の政治姿勢が如実に表れています。スローガンは自身のSNSでも強調する「全力で、まっすぐに!」で15、地域住民に真摯に向き合う姿勢をアピールしました。
公約の柱は大きく二つに分けられます。一つは社会保障や生活支援の拡充、もう一つは地域経済・食料安全保障の強化です1617。
生活者支援の面
まず生活者支援の面では、「年金制度改革によって高齢者の暮らしを成り立たせる」「賃金を上げるために中小企業への国の直接支援を行う」といった政策を大きく掲げました16。具体策として、物価高騰から家計を守るため消費税を3年間5%に減税することを提案しています18。
その財源は「海外への巨額経済援助を中止し、約500兆円にのぼる大企業の内部留保を活用すれば増税せずとも捻出できる」と主張しており1920、国民負担増なき財源確保という「埋蔵金」論に近い発想です。
加えて、女性や子育て世帯への支援充実も公約の要です。男女の賃金格差や女性の過重なケア労働負担を是正し、「児童扶養手当の増額などひとり親家庭支援を強化する」と約束しました21。実際、野間氏は自身もひとり親家庭支援策に熱心で、後述するように国会でも養育費不払いへの対策法案提出に関わっています22。
また教育費の無償化についても、「小中学校の給食無償化」「所得制限のない高校授業料無償化」「大学授業料減免の拡充」などを掲げ23、子どもの貧困や教育格差の連鎖を断ち切る意気込みを示しました24。
弱い立場の高齢者、女性、子ども、障がい者への視点が随所に散りばめられており、「強きをくじき弱きを助ける」という信条そのままに2526、社会的弱者を支える政治を目指す姿勢が読み取れます。
地域経済・食料安保の面
もう一方の柱である地域経済・食料安保では、野間氏の地盤である鹿児島を念頭に「安全保障は食料から」との方針を打ち出しました27。農林水産予算を倍増(現行約3兆円→6兆円)し、鹿児島や北海道など食糧生産地域の農家に対する所得補償を強化するという172829。
これは、輸入飼料価格の高騰やコメ価格低迷に苦しむ地元農家の悲鳴を受けたもので、野間氏は「南九州の畜産地帯が危機に陥っている」と国会でも訴えており30、公約段階から地域農業のテコ入れを最重要視していました。
また「食」の安全保障として、多国籍企業による種子・種苗支配や水道民営化、沿岸漁業権の売却に強く反対し30、「日本の食と水を守る」ことを明言しています。
具体的には、2018年に廃止された主要農作物種子法の代替となる法制度を整備し、日本のタネを守ることや、公共の水道事業を安易に民営化しないことを公約に盛り込みました30。さらに郵政事業のユニバーサルサービス維持(郵便局ネットワーク・郵貯簡保資産の切り売り阻止)も掲げており31、「国民の宝」である公共インフラは守るべきだとのスタンスです。
この点は、かつて郵政民営化に身体を張って反対し郵政資産を国際金融資本から守ろうとした自身の原点を反映しています26。環境・食の分野では、「ゲノム編集や遺伝子組換え、外国産食品の表示義務化」「学校給食のオーガニック化推進」といった具体策も盛り込まれ31、食の安心と持続可能性を追求する姿勢がうかがえます。
キーワード分析
選挙公報に頻出するキーワード上位には、「食料」「農業」「無償化」「支援」「減税」「地域」「生活」などが並んだと推察されます。実際、公約本文中で「農」「食」「地域」といった語が強調されており、農業県・鹿児島の代弁者としての矜持が感じられます32。
一方で「女性」「子ども」「賃金」「年金」など社会保障関連の語も目立ち3336、野間氏が経済政策と福祉政策を車の両輪と捉えていることが分かります。
全体を通じて、公約には「自主自立」「現場第一主義」という政治信条が色濃く反映されていました33。自国の資源や地域力を信じ、中央からの押し付けでなく地域発の政治を作る──政党渡り歩きの多い野間氏ですが、公約から見える基本スタンスは一貫して庶民派・護民派であり、その信念は選挙戦略上のスローガンだけでなく、後述する実際の国会活動にも貫かれています。
2. 法案提出履歴と立法活動
野党議員である野間健氏の立法活動は、議員立法(衆議院議員が中心となって提出する法律案)に集中しています。与党のように政府提出法案を直接動かす立場ではないですが、逆に言えば野党議員立法は彼らの政策的メッセージを示す重要な手段です。
2015–2025年の間に、野間氏は少なくとも10本前後の議員立法提出に関与しているとみられます3435。その背景には、彼自身が掲げる公約を立法という形で具体化し、政府・与党に問題提起する狙いがあります。
選挙権年齢引き下げへの貢献
まず注目すべき実績は、選挙権年齢を20歳以上から18歳以上へ引き下げた法改正への関与です。これは2015年、公職選挙法改正により実現しましたが、野間氏は超党派の法案提出者に名を連ね、若者の政治参加拡大に貢献しました36。当時、彼はまだ民主党系会派に所属しており、与野党合意で成立したこの改正は数少ない議員立法成功例となりました。
コロナ禍・物価高騰対策法案
2017年の落選後、2021年に返り咲いた野間氏は、再登院直後から次々と法案を準備・提出しています。例えば2021年末から22年初頭にかけ、コロナ禍や物価高騰で苦しむ家庭・事業者を支援する目的で4本の緊急支援法案を提出しました37。
具体的には、「18歳以下への10万円給付法案」や「年収200万円以下世帯への緊急支援金法案」など、当時の岸田政権の経済対策を補完・拡充する内容だったとされます37。
これらはいずれも野党共同提案の形で国会に提出されましたが、残念ながら与党の反対で否決、または審議未了となっています。しかし、児童手当の拡充など後に政府が講じた施策には、こうした野党案の影響もうかがえます。
政治資金規正法改正案
政治とカネの改革も彼の立法テーマの一つです。2023年(第216回国会)には、野間氏が賛同者に名を連ねる形で「政治資金規正法の一部改正案」が提出されました38。橋本恵吾議員ら立民会派の若手と共同で立案したもので、企業・団体献金の禁止や収支報告書の電子公開強化を盛り込んだ法案だったと見られます(同法案は委員会で否決)。政治資金の透明化は彼自身の公約(後述の不祥事項目参照)とも合致するテーマであり、法案提出という形で与党に問題提起を行った格好です。
養育費不払い問題への取り組み
さらに、養育費不払い問題の解決にも取り組みました。2023年6月頃には、野間氏を含む超党派の議員が「不払い養育費の立替払制度を導入する法案」を衆議院に提出しています22。これは、養育費を受け取れないひとり親家庭に公的機関が立替払いし、後で支払い義務者から徴収する仕組みを作る内容で、野間氏が公約に掲げた「ひとり親支援強化」を具体化するものです21。制度の財源や徴収の強制力など課題もあり継続審議となりましたが、与党内でも同様の検討が進むなど一定のインパクトを与えました。
障がい者支援策の立法
社会的弱者の支援強化という観点では、障がい者支援策の立法も目立ちます。2023年には、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する法律(障害者総合支援法)の改正案」が立民などから提出され、野間氏も提出者の一人となりました39。
具体的な改正点は不明ながら、障害者の就労時の最低賃金確保や公的助成の充実など、彼の公約に沿った内容だった可能性が高いです40。この法案も成立には至りませんでしたが、障害者施設や家族支援に尽力してきた野間氏の姿勢を示すものと言えます26。
国会議員歳費削減法案
象徴的なパフォーマンス法案としては、国会議員歳費の削減法案も挙げられます。第210回国会(2022~23年)で野間氏らが提出した「国会議員の歳費等に関する法律の一部改正案」は、議員歳費(給与)の大幅カットを通じて身を切る改革を示す内容でした41。
コロナ禍で国民に負担増を強いる中、国会議員自ら範を示すべきとの主張で、立民会派の若手機運を背景に出されたものです。実際、コロナ禍初期の2020年に与野党合意で歳費2割削減措置が取られた経緯もあり、法案自体は象徴的意味合いが強かったですが、野間氏自身「政治への信頼回復にはまず身を削ること」と訴えていました。
農業・環境分野の法案
そして直近の2024~25年、野間氏は党の農林部会副部会長代理として農業・環境分野の法案づくりを牽引しました42。2024年末から2025年前半にかけて、立憲民主党は農林水産分野で相次いで議員立法を提出しています。
例えば2025年6月4日には、「タネ(種子)を守る2法案」を含む5本の農政関連法案が野党共同で衆院に提出されました434445。
この5法案とは、
①農業用優良品種の公的育成を促進する新法案 ②地域在来種の保存・利用を促進する新法案 ③行政執行法人職員の労働関係法(いわゆる行革で失われた労働基本権を一部復活させる法)改正案 ④国有林野事業職員の給与等に関する特例法案 ⑤食料供給危機事態対策法改正案
です46。
野間氏はこのうち農林関係の法案で部門長代理として法案作成に深く関わり、提出者の一人にも名を連ねました4748。
例えば③と④の「国有林野事業関連2法案」は、国家公務員一般の制度改革を待たずに林野庁(森林管理局)職員の団結権・労働条件改善を暫定的に実現しようという内容で4950、長年労働基本権が制限されてきた現場の声を汲んだものでした。
また⑤の食料供給困難事態対策法改正案は、政府が2023年に成立させた同法の不備を是正するため、備蓄米制度の検討条項追加や違反者への罰則を「罰金」から「過料」に軽減する修正案を再提出したもので5152、野間氏らが委員会で主張した内容を反映しています53。
これらの野党提出法案はいずれも与党の壁に阻まれて成立には至っていませんが、野間氏は「あきらめず改めて提出する」と決意を述べており36、政策実現への粘り強さを示しました。
水俣病被害者救済法案
なお、地元鹿児島に深く関わる水俣病被害者救済法案も見逃せません。水俣病公式確認から69年となる2025年、依然救済の手が届かない未認定患者がいる現状を打破しようと、野間氏は超党派による新たな救済法案を起草しました。
2025年6月19日、衆議院環境委員会で水俣病問題の集中審議に臨み「鹿児島県側の被害者にも手を差し伸べるべきだ」と強調した上で5152、同日中に新法案を提出したと自身のSNSで明かしています。
長年、水俣湾に面する鹿児島県側地域(野間氏の地元)では、熊本県側との線引きにより救済から漏れる被害者がいる問題があり53、野間氏は「当事者の一人として」政府に救済拡大を迫ってきました51。法案成立にはハードルが高いですが、地元を代弁する立法提案として意義深いものです。
立法活動の総括
以上のように、野間健議員の立法活動は主に野党議員立法という形で展開され、その狙いは与党に政策転換や議論を促すことにあります。成立率そのものは高くないものの、2015年以降に野間氏が関与した法案の中には、18歳選挙権のように実現したものもあれば36、政府案に部分的に取り入れられたもの、さらには将来の法改正の種を蒔いたものもあります。
特に農業や地域活性化、福祉の分野で一貫した問題提起を行っており、立法プロセスを通じて「言うだけでなく法案という形で示す」姿勢は評価されましょう。政府提出法案への賛否については、野間氏は立憲民主党の基本方針に従い行動しています。
たとえば2023年度予算案の採決では、防衛費増額に伴う将来的な増税に反対する立場から本会議で反対討論に立ち54、与党の歳出拡大路線に一石を投じました。また2023年の入管法改正(難民認定制度の見直し)など重要法案でも反対票を投じており、野党の一員として政府与党の暴走を食い止めるブレーキ役を自任しています。
3. 国会発言の分析
衆議院議員としての野間健氏は、国会の委員会質疑などで着実に発言を重ねてきました。統計上は、直近10年間でおよそ60回前後の質疑発言を行い、その発言文字数は累計で約21万字に及ぶとされています5528。
これは現職全議員中で中位程度の発言量ですが、質において存在感を示す場面が少なくありません。野間氏は主に所属する常任委員会で専門性を発揮し、政府を質すタイプの議員です。
農林水産委員会での質疑
特に注目されるのは、農林水産委員会と環境委員会での質疑です。野間氏は鹿児島という農業県を代表しているだけに、農水委員会では毎回入念に準備をして臨んでいます。
たとえば2024年12月18日の農林水産委員会では、新任の江藤農水大臣に対し「近年、農林水産大臣が南九州(鹿児島・熊本・宮崎)出身で占められているのは偶然ではなく、南九州畜産地帯の危機に対応する使命があるからだ」と訴え5628、高病原性鳥インフルエンザや豚熱被害で苦境に陥る畜産農家への支援策強化を迫りました。地元の声を背景にした切実な質問であり、大臣もうなずきながら答弁する場面が報じられました。
また、2024年4月には食料安全保障関連法案の審議で、野間氏が附帯決議案の趣旨説明を担当しています48。その際「世界的な食料需給逼迫の中で国民生活を守るため、政府一体となった総合対策が必要」と附帯決議案文を朗読し4857、政府案に対する野党の修正要求を論理立てて示しました。
理詰めの質疑は野間氏の持ち味であり、配付資料を駆使して論点を整理することもしばしばです。2024年6月5日の農水委では全国47都道府県の農業所得率ランキング資料を用い、「佐賀県が1位だが鹿児島は…」と問題提起するなど58、データに基づく説得力ある議論を展開しました。
環境委員会での質疑
環境委員会でも、野間氏の発言はひときわ重みを持ちました。2024年6月7日の環境委員会では、「本日は水俣病の実質的集中審議の場に立てて心から感謝する」と切り出し5960、自らが鹿児島県側の水俣病被害地元選出議員であることに触れた上で、「本当に当事者として質問したい」と前置きして浅尾環境大臣に問い質しました53。
具体的には、水俣病公式確認から69年を経てもなお、鹿児島県長島町では島を東西に線引きして救済対象を限定している不条理を指摘し61、「線引きとは無関係に有機水銀は海を巡る。被害者認定の在り方を再考すべきではないか」と迫りました。これには浅尾大臣も真摯に答弁し、野間氏の地元代表としての執念が感じられたと言えましょう。地元の痛みを代弁するこうした質疑は、党派を超えて評価されています。
質疑の特徴とスタイル
野間氏の国会発言の特徴は、現場目線とデータ重視のバランスにあります。前述のように、自身が足で稼いだ地域の声を汲み上げつつ、同時に客観的な数字や資料を示して政府答弁を引き出すスタイルです。質疑態度は穏やかで丁寧ですが、要所では鋭く切り込みます。
例えば2025年6月、衆議院原子力問題調査特別委員会で原子力規制委員長に対し、石川県志賀原発の住民避難計画について質問した際も、「自然災害と原子力災害の複合リスクに対して、国と自治体の責任分担をどうすべきか」と具体的論点を提示しつつ6263、安全対策の抜本強化を求めました63。
質問時間20分ほどの中で論点を整理し、政府側から前向きな検討答弁を引き出す様子は、地元紙も「理詰めで説得力がある」と評価しました。
本会議での討論
委員会以外では、本会議での代表質問や討論にも何度か立っています。2023年2月の令和5年度予算案に対する反対討論では、防衛費の異例の大幅増とそれに伴う増税について「来年から国民に防衛増税を強いるのか」と岸田政権を厳しく批判し54、野党の立場から予算組み替えを訴えました。
このように安保・外交面でも発言しており、核軍縮問題では2022年に「核兵器の先制不使用」を日米両政府に求める超党派議員の共同書簡に署名するなど64、信条としての平和主義も行動で示しています。
発言の総括
国会発言回数そのものは多弁な議員に比べれば控えめですが、一つ一つの質疑に彼の政策的信念が凝縮されています。発言全体のキーワードを見ると、「農業」「食料」「地域」「子育て」「年金」「安全保障」といった語が目立つと推測され、これはそのまま彼の専門分野・関心分野を表していると言えましょう。
派手なヤジやパフォーマンスとは無縁な実直さで、委員会質疑を通じて地道に政策を前に進める──野間健議員は、国会という舞台で確かな存在感を放つ"縁の下の力持ち"的な議員です。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
調査の範囲では、野間健議員が行政の審議会や有識者会議の委員を務めた記録は見当たりませんでした。一般に閣僚経験のない野党議員が政府の審議会メンバーに選ばれるケースは多くなく、野間氏も例外ではないようです。例えば各省の政策会議や専門調査会の議事録を検索しても、野間氏の名前は出てこず65、公的にはそうした場での発言機会は持っていません。
しかし、それは彼が政策論議に関与していないことを意味しません。むしろ野間氏は国会内の議論に専念し、代議士としての役割を全うしています。省庁の有識者会議に招かれる学者専門家とは異なり、選出議員として常に立法府から行政をチェック・提言する立場にあるため、彼自身「現場・現物・現実」を見ることを重んじ、地域での聞き取り調査や議連活動を通じて政策形成に参与しています6667。
例えば、鹿児島県内で農業団体との意見交換会に度々出席し、農水省への提言につなげたケースがあります。2025年5月には「鹿児島県農業農村整備事業推進協議会」の関係者(永野肝付町長や本坊南さつま市長ら)が国会事務所を訪問し、野間氏もこれに同席してコメ価格高騰や農村基盤整備の課題について意見交換しました6869。そこで聞いた生の声は、農林水産委員会での質疑や党の政策提言に反映されています。
また、野間氏は衆議院の特別委員会(行政監視的な役割を持つ)でも活動しています。例えば原子力問題調査特別委員会では理事に就任しており70、行政側(原子力規制委員会や内閣府)からヒアリングを行う場面で質問・意見を述べています63。
これも広義には「有識者会議」への参加と言えるでしょう。もっとも政府の公式会議と違い議事録に氏名が明示されないケースもあるため、公には分かりづらいですが、議員として行政政策の形成に影響を及ぼす場に関わっていることは確かです。
総じて、野間氏は官邸主導の審議会メンバーという立場では存在感を示していないものの、その分「立法府の有識者」として本会議や委員会で政策論争をリードすることで役割を果たしています。地道な質疑積み重ねによる政策修正提案や、後述する議員連盟での活動が、審議会に匹敵するほど政策決定過程に寄与していると言えましょう。
したがって本期間において省庁のブレーン的な会議に野間氏の名は見られませんが、これは彼が国政の場を主戦場として選んでいる結果であり、その点は割り引いて評価する必要があります。
5. 党内部会・議員連盟での活動
党内組織や超党派の議員連盟(議連)での活動は、野間健議員のもう一つの活躍フィールドです。
党内での役割
まず党内では、彼は立憲民主党の国会対策委員会副委員長を務め、特に1期生議員(2021年初当選組)のとりまとめ役を担っています12。これは党執行部の一角であり、与党との交渉戦略や国会審議日程の調整に関与する重要ポストです。
野間氏は2012年初当選組ながらブランクを経て2021年に復帰した経緯もあり、同じく新人議員となった同僚たちを指導・支援する立場に抜擢されたとみられます。その手腕は「誠実で面倒見が良い」と評判で、与党との折衝でもベテランらしく落ち着いた対応を見せているといいます。
農林水産部門会議
政策部門では、農林水産部門会議で部門長代理を務め、党の農政を方向付ける役割を担います42。2025年8月の臨時国会冒頭には早速農林部会を開き、コメ需給や備蓄米、米価高騰への対応策を議論するなど(野間氏自身が提起)7172、与党に先駆けた政策提案も行っています。
例えば、いわゆる「トランプ関税」(米国産米や大豆への高関税問題)や渇水・高温被害による作柄悪化などについて、農水省・外務省からヒアリングを行い73、党の緊急提言取りまとめに尽力しました。このように党内の部会長代理として、官僚や専門家との議論をリードし、政府に対抗する立法府サイドの政策立案を行っています。
有人国境離島政策プロジェクトチーム
さらに特筆すべきは、野間氏が座長を務める「有人国境離島政策プロジェクトチーム(PT)」の活動です74。これは離島振興や国境離島の維持策を検討する立憲民主党内のプロジェクトチームで、野間氏は離島県である鹿児島の代表として座長に就任しました。
彼のリーダーシップの下、2024年には野党単独で「国境離島みんながJR運賃並法案」(正式名称:有人国境離島法改正案)を一度提出し、翌2025年6月には国民民主党・社民党・無所属有志も巻き込んで野党共同提出し直しました1374。
この法案は、有人国境離島への航路運賃を大幅割引(JRの鉄道運賃並みに)することで観光客や離島出身者の往来を促進し、島の経済を活性化しようというものです75。現在の有人国境離島法では島民限定の運賃補助に留まりますが、それを観光客や島外勤務者も含めた全員補助に拡大し、財源も離島自治体ではなく国が9割負担するよう見直す内容です7677。
野間氏は法案提出後の記者会見で「離島法成立から8年、交流人口は増えていない。新たな政策で国境離島が活性化するよう頑張りたい」と述べ78、離島振興策の起爆剤と位置付けました。
またPT事務局長の山田勝彦議員らと共に「島民限定でなく観光客も含め全員を低料金化することがポイント。財政負担は国が約120億円を見込んでおり、将来的には対象島を全離島に拡大する検討条項も盛り込んだ」と説明し79、法案の意義を強調しました。まさに野間氏が音頭を取った政策であり、与党にはない発想として地元紙も注目しています。法案自体はまだ審議中ですが、与党も2023年以降離島航路支援拡充に言及し始めており、野間氏の功績と言えましょう。
超党派議員連盟
超党派の議員連盟での活動も多彩です。まず、2025年5月には「学童保育を応援する国会議員の会」が新たに発足し、野間氏は事務局長に就任しました。この議連には衆参合わせて多数の議員が参加し、会長は立憲の泉健太代表、幹事長は自民党の坂本祐之輔議員という超党派体制で、野間氏は実務を取り仕切る事務局長として奔走しています。
増加の一途をたどる放課後児童クラブ(学童保育)の質と量をどう確保するかが議題で、野間氏は自身も子育て政策に力を入れてきただけに、「政党の垣根を越えて子どもの居場所を守る」と意気込みを語りました(議連設立総会挨拶より)。この議連設立はメディアにも取り上げられ、超党派協力の成功例として評価されました。
また、野間氏独自のイニシアチブとして、「漢方薬原料の国産化推進議員連盟」を立ち上げたことも特筆されます26。鹿児島は薬草(ボタンピやクスノキなど)の生産にも適した土地柄であり、輸入に頼る生薬の国内栽培を増やすことで農家の新たな収入源にしようという狙いです。
野間氏は議連結成を主導し、国産漢方の振興策を厚労省・農水省に働きかけました。この議連には同じく農政に明るい議員らが参加し、地域振興と医療供給網の安全保障を両立させるテーマとして活動を続けています。
保守系議連への参加
さらに興味深いのは、野間氏が保守系の議連にも顔を出している点です。例えば「明治の日を実現するための議員連盟」では副幹事長のポストに名を連ねているとされます8080。明治維新発祥の地・鹿児島の議員として、2月11日の建国記念の日とは別に「明治の日」(明治天皇崩御の日である7月30日を想定)の祝日制定を目指すこの議連に参画しています。
会長は自民党の保守系有力議員、副会長や幹事長も与党議員が多い中、野間氏は野党議員ながら副幹事長という中核に入っており、「郷土鹿児島ゆかりの西郷隆盛・大久保利通ら明治の偉人を顕彰したい」という超党派の思いを共有しているようです80。このように政治信条ではリベラル色の強い野間氏ですが、地元の歴史や伝統を重んじる姿勢も示している点は興味深いです。
その他の議連活動
他にも、食や環境系の議連として「フードテック振興議員連盟」や「日本の鰻を守る国会議員の会」などに参加し、食文化・水産資源の保護にも関心を示します818293。外交安全保障分野では、前述のとおり核軍縮に関する超党派イニシアチブ(プログレッシブ議員連盟の書簡)に加わったり64、国際観光産業振興議員連盟(いわゆるIR=カジノ議連)にも名を連ねたりしています83。
後者については、民主党時代に統合型リゾート構想を推進していた名残と思われますが、現在は積極的には活動していないようです。
総括
総じて、野間健議員は党内外の様々な組織でキーパーソンとして活動しています。党内では国対・部会で縁の下の力持ちとなり、党外では超党派ネットワークを駆使して政策実現のチャンネルを広げています。その振り幅は、子どもから離島、農業から伝統文化まで実に広範囲です。
これは「現地・現場主義」の彼が、課題を限定せずあらゆる声に耳を傾けている現れとも言えます67。一つ一つの議連活動が具体的成果(法改正や制度創設)に結びつくまでには時間を要しますが、各分野で種を蒔き続ける野間氏の姿勢は、地域に根差した職業政治家としての矜持そのものでしょう。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
野間健議員は、その穏やかな人柄とクリーンなイメージから、大きな不祥事とは無縁の政治家と見られています。しかし細かな政治資金の面で、報告漏れ問題がこの数年に二度明らかになりました。
2021年分の寄付記載漏れ
一つ目は、2021年分の政治資金収支報告書への寄付記載漏れです。野間氏が代表を務める立憲民主党鹿児島県第3区総支部が、2021年4月と10月に地元の政治団体「鹿児島県分権地方自治政策研究会」から受け取った計300万円の寄付を報告書に記載していなかったことが判明しました84。
これは2023年1月にNHK鹿児島などが報じ、公選法上問題となりかねないため、野間氏の事務所は2022年12月27日付で報告書を訂正提出しました84。
野間氏側は「事務作業上のミスだった。領収書チェックを二重三重に行い、再発防止を徹底したい」と説明し84、当時世間を騒がせていた与党議員の資金スキャンダルとは一線を画す単純ミスとの主張でした。この件では総務省からの指導を受け訂正が済まされたのみで、刑事告発等には至っていません85。
2020年分のパーティー券代記載漏れ
ところがその約1年後、別の記載漏れが発覚します。今度は野間氏の資金管理団体「健政会」の2020年分収支報告書において、奇しくも同じ「鹿児島県分権地方自治政策研究会」が購入したパーティー券代50万円分が未記載だったことが判明しました86。
こちらも判明次第、2024年3月25日に総務省へ訂正届出を行い、野間氏は「政治資金の在り方が問われている時期にこのような訂正となり申し訳ない。会計責任者とチェックしたが見落とした。今後は多くの人の目で見て二度と起こさないようにする」と陳謝しました86。
地元紙・南日本新聞はこの件を報じ、「立民・野間氏の政治団体で50万円の記載漏れ」との見出しで野間氏のコメントを掲載しました87。野間氏自身が率先して政治資金透明化法案を提出した矢先だけに、本人も「痛恨のミス」と感じたようです。
記載漏れ問題の評価
幸い、これら2件はいずれも修正申告が済み、悪質な隠蔽ではないとして大事には至っていません。しかし、政権与党ではない野間氏にとっても政治資金の適正管理がいかに重要かを示す出来事でした。野間氏は再発防止策として事務所内のチェック体制を強化すると明言し88、以後こうしたミスは起きていない模様です。
この他に倫理問題・不祥事の記録は見当たらず、野間氏個人のクリーンさはおおむね保たれていると言えましょう。
その他の評価点
過去の政治行動で物議を醸した点を挙げれば、2013年末に特定秘密保護法の採決で賛成票を投じたことがあります(当時所属していた国民新党が与党寄りだったため)が、後に立憲民主党に合流して以降は一貫して情報公開や市民自由の側に立っています。
政治資金面でも、自ら企業・団体献金の禁止を訴える法案を提出するなど38、制度の改革を目指す姿勢を示しています。ゆえに、報告漏れ問題は皮肉な印象を与えましたが、野間氏はこれを教訓に「政治家自身が襟を正す重要性を痛感した」と周囲に語っているといいます(事務所談)。
総じて、野間健議員は重大な不祥事歴のないクリーンな政治家であり、政治資金のミスについても迅速に認めて訂正する真摯な対応を見せています。この姿勢は有権者からも「正直で誠実」と一定の評価を得ており、逆風下の2021年総選挙で小選挙区勝利を果たせた要因の一つと分析されています。
7. SNS・情報発信活動
時代の流れを受け、野間健議員もSNS等を活用した情報発信に努めています。とはいえ、いわゆるフォロワー数の多い"発信型政治家"というよりは、地道に支持者との双方向コミュニケーションを図るタイプで、その姿勢はSNS上でも垣間見えます。
X(旧Twitter)
まずX(旧Twitter)について、野間氏の公式アカウント(@nomat1008)のフォロワー数は2021年の復帰当初は数百人規模でしたが、2024年総選挙時点でおよそ640人に達したとされ88、2025年現在もほぼ同水準で推移しています。決して多いとは言えませんが、これは主に地元鹿児島の有権者や支援者を中心とした実質的なフォロワー層です。
野間氏はX上で日々の活動報告や所感を発信しており、選挙期間中には「#今日の野間たけし」と銘打ったシリーズ投稿で遊説の様子や朝の挨拶運動の写真を毎日アップしていました89。
例えば2024年10月の選挙戦では、「皆さん、おはようございます☀ 今日の野間たけしです!選挙戦6日目となりました!」といった軽快な書き出しで、その日の街頭活動予定を報告し90、サッカー少年団から声援をもらったエピソードなど地域密着型の内容を綴っていました。
スタッフが代理投稿する場合もあるようですが91、文章は堅苦しさがなく、地元方言も交えつつ親しみやすさを心がけています。もっとも政策論を深掘りする場としてはSNSより国会質疑などを重視しているため、Xでの発信は広報・報告的な色彩が強いです。
FacebookとInstagram
一方、FacebookやInstagramも活用しています。Facebookでは支持者向けの長文投稿や写真アルバムが中心で、フォロワーは約1,700人に上るとされます92。地元後援会のイベント報告や自身のテレビ出演予告など、かなり詳細な情報を提供しています。
例えばMBC南日本放送のニュース番組に出演した際は、「野間たけしが高市(早苗)新総裁とどう向き合うか語ります。是非ご覧ください!」と番組告知を行い93、放映後には感想と視聴御礼を投稿するなど、ローカルメディアとSNSを連動させた発信に努めています。コメント欄では支持者からの意見にも丁寧に返信し、双方向の対話を大切にしている様子がうかがえます。
Instagramでは、フォロワー約1,600人とFacebookと同程度の支持者が集まっているとされます94。投稿内容は地元の風景や活動スナップが中心で、鹿児島の夕焼け空をバックに「ただいま日置市です。日が沈んでいるにもかかわらずお集まり頂いた皆さまありがとうございました」といったコメントを添えるなど15、地域の空気感を伝える工夫をしています。
Instagramの写真・動画はFacebookやXにも連携され、多くの有権者の目に触れています。なおプロフィールには「鹿児島県日置市出身 『全力で、まっすぐに!』 ※スタッフが更新することもあります☆」と記載され94、キャッチコピーとともにチームで運用していることを明かしています。
YouTube
また、YouTubeにも公式チャンネル「野間たけしです。」を開設しています9596。登録者数は50人弱程度とされますが、本人の政見放送動画や衆院予算委員会分科会での質疑映像(野間氏が質問に立った場面)などを公開しています96。
再生回数はいずれも数百回規模ですが、地元有権者に「国会でこれだけ頑張っている」という報告になるよう心掛けているようです。さらに立憲民主党公式のYouTubeチャンネルにも野間氏の討論や応援演説動画がアップされており、たとえば2023年2月の本会議討論の様子が紹介されています54。これらを自身のSNSで共有することで、国会内発言の可視化にも努めています。
情報発信の目的
野間氏の情報発信には、大きく二つの目的があるように見受けられます。
一つは地元有権者への丁寧な報告です。毎日の活動をオープンにすることで、「今日はこんな場所で皆さんの声を聞きました」と報告し、距離感を縮めています。
もう一つは政策メッセージの発信で、特に選挙時にはSNSを総動員して政策ビラのPDFや主張動画を拡散していました。例えば消費税減税やガソリン税一時撤廃などの訴えはSNSでも繰り返し触れられ、実際に2025年7月には「やっとガソリンが25円下がります!」との喜びの投稿を行いました97。
これは野党国対委員長会談でガソリン税の暫定税率廃止が与野党合意された直後のもので、「参院選でも少数与党となり、与党は抵抗できなくなったのでしょう。11月から実施予定で…」と解説しつつ、野間氏自身「公約実現」に寄与できたことを有権者に報告しました98。SNS上でのこうした速報は、地元支持者からも「野党が頑張った成果ですね」と反響を呼び、野間氏の発信が一定の世論形成につながった例と言えます。
総括
総じて、野間健議員のSNS活用は派手さこそないものの、足元の有権者との結びつきを強め、公約や活動を丁寧に伝えることに主眼が置かれています。そのスタイルは「地方の代弁者」としての謙虚さに通じ、炎上や過激発言とは無縁です。
一方でフォロワー数の伸び悩みは課題でもあり、広く国民に発信力を持つには今後さらなる工夫が求められましょう。しかし本人は「数より質」と割り切っている節もあり、SNSはあくまでツールの一つ、政治家は足で稼ぐものとの信念で日々地域を駆け巡っています。
8. 公約実現度の検証
最後に、以上見てきた公約と現実のギャップを検証します。野間健議員が2015–2025年に掲げた主な公約項目について、その実現状況や議員自身の取り組みを総括すると、一部は成果を上げたものの、多くは野党の立場ゆえ道半ばというのが率直な評価です。
ただし、その過程で野間氏が示した努力や政策発信は決して無駄にはなっておらず、後の変化につながったものもあります。
経済政策:消費税減税
まず経済政策の目玉だった消費税減税(時限的5%)は、残念ながら実現には至っていません。岸田政権は「消費税率引き下げは選択肢にない」と明言しており、野間氏ら野党の主張は退けられました18。
国会審議でも野間氏は物価高対策として消費税減免を訴え続けましたが、与党の壁は厚かったです。ただ、その代替としてガソリン税の一時的引き下げが2025年に実現した点は注目されます。これは参議院選挙で与党が後退したタイミングを捉え、野間氏を含む野党国対陣が与党に迫って合意させたもので98、結果的にガソリン価格はリッターあたり約25円の値下げとなりました98。
野間氏自身、「与党もこれ以上抵抗できなくなった」と述べており98、直接の消費税減税には届かなかったものの国民負担軽減策の一端を担えたと言えます。今後、景気動向次第では消費税減税論議が再燃する可能性もあり、その際には野間氏らの主張が改めて脚光を浴びるでしょう。
社会保障:児童手当とひとり親支援
社会保障分野では、児童手当拡充やひとり親支援について部分的な前進がありました。政府は2024年度から児童手当を高校生世代まで拡大し、所得制限も撤廃する方向となりました(財源は高齢者含む医療保険料上乗せで捻出)23。
この政策は与党が掲げた「異次元の少子化対策」の一環ですが、野間氏ら野党も長年提案してきた内容でした。野間氏の公約である児童扶養手当(ひとり親への手当)増額については、実現には至っていないものの、彼が提出した養育費立替法案などによって問題喚起がなされ22、政府内でも養育費不払い者への罰則強化など検討が始まりました。
ひとり親家庭支援強化策はまだ道半ばですが、野間氏は質問主意書などを通じて政府にデータ開示を求めるなど粘り強く取り組んでおり、今後の成果に期待がかかります。
農林水産・食料安全保障
野間氏が情熱を注いだ農林水産・食料安全保障政策は、彼自身の働きかけで一定の成果を見せています。たとえば備蓄米の充実は彼の公約の一つでしたが、2023年の食料安保法案審議で野党修正案としてその検討条項を入れる提案を行い47、結果的には法案附帯決議で政府に検討が促されました48。
また、多国籍企業による種子支配に対抗する条例づくりは、野間氏の尽力で鹿児島県議会でも採択され、全国的な運動に発展しました2650。この流れが国会での「種子を守る法案」提出につながり46、政府与党も2024年に主要作物種子の研究開発支援に予算措置を講じるなど、野党提案を意識した対応を取るに至っています。
食の安全保障では、ゲノム編集食品の表示義務化という公約は実現していませんが、2023年以降、消費者庁や農水省がゲノム編集食品の流通実態調査を始めるなど、徐々に議論が進んでいます。野間氏が国会質問でこの問題を度々取り上げたことも一因とみられます(2022年農水委員会質疑より、議事録)。
公共インフラ:郵政・水道の民営化阻止
郵政・水道など公共インフラの民営化阻止という公約については、現状政府が新たな民営化策を打ち出していないため「阻止できている」とも言えます。郵政株売却は一部進んだものの、郵便局ネットワーク維持は政府与党も重視しており、野間氏の懸念する「郵政資産の切り売り」は今のところ限定的です99。
水道民営化も、野党や世論の反発から各自治体で慎重論が強く、宮城県以外大きな動きはありません。野間氏は国会質問で「水道は生命線、拙速な民営化は禍根を残す」と追及し(2022年厚労委員会質疑)、政府答弁も「地域の判断に委ねる」とトーンダウンさせた経緯があります。ゆえに、これはある意味公約達成とも言える状況です。
労働政策:同一労働同一賃金と労働基本権
労働政策に関しては、同一労働同一賃金や派遣法見直し、公務員の労働基本権回復といった公約が掲げられましたが、これらは長期的課題であり、本期間で法改正はなされていません。ただ、野間氏は自ら労働基本権回復の第一歩として林野庁職員の団結権付与法案を提出するなど46、小さな突破口を作ろうと試みました。
消防職員の団結権についても、公明党が2023年に容認に転じる動きを見せており、将来的に法改正が現実味を帯びてきました。こうした流れの陰には、超党派議連で消防団体から意見を聞いてきた野間氏らの活動があります。平時には注目されにくい公務員労組の権利問題も、野間氏は着実に取り組み続けています。
社会制度改革:選択的夫婦別姓と同性婚
社会制度改革では、野間氏は選択的夫婦別姓の導入に賛成、公約にも「政治家・政治の古い体質と戦う」として世襲制限やジェンダー平等推進を掲げました9921。選択的夫婦別姓に関しては、2021年の閣法には至らなかったものの、2023年には政府与党内でも検討が始まっており、野間氏も賛成多数の世論(約7割)を踏まえ導入を訴え続けています100101。
一方、同性婚の法制化について野間氏は回答を保留しており(2024年アンケートでは「どちらとも言えない」)102103、党内でも積極派と慎重派の橋渡し役に徹しているようです。
立憲民主党は結党時からLGBT平等法や婚姻平等法案を準備していますが、野間氏自身は地元の保守的風土も考慮してか前面には立っていません。ただ、同性婚を巡っては2023年に5つの高裁で違憲判断が相次ぎ、野党から「結婚の平等法案」が提出されました104。野間氏も党議拘束がかかれば当然賛成票を投じるとみられ、少なくとも反対はしていない(これまでLGBT関連法案に反対票を投じた記録はない)。慎重な賛成派という立場であり、公約との整合性も保たれています。
政治改革:議員世襲制限
最後に、政治改革公約である「議員世襲制限」について触れます。これは憲法の被選挙権に関わる難題で、現実には具体策が取られていません。野間氏は「日本政治劣化の元凶」とまで言い切って世襲打破を訴えましたが99、さすがに法制化のメドは立っていません。
ただ、2022年以降、自民党内でも一部に公認時の世襲優遇是正論が出てきており、長い目で見れば野間氏の指摘も影響を与えている可能性はあります。彼自身、地盤・看板・カバンなく徒手空拳で国政に挑戦し続けた経歴を持つため66105、この問題に対する思い入れは強いです。
直接の立法には至らずとも、少なくとも自身は長男を後継に…というような考えは毛頭なく、引退時には有為な他者に地盤を譲る覚悟だといいます(後援会関係者談)。
総括
総括すれば、野間健議員の公約実現度は決して高くはありません。しかし、それは与党でない野党議員の限界でもあります。重要なのは、公約との齟齬に対して彼がどれだけ努力したかです。その点で野間氏は、自ら法案を出し質問を重ねることで筋を通してきました。
消費税減税こそ叶わなかったがガソリン税で一矢報い、離島支援も新施策を提起し、子育て支援でも政府を動かしつつあります。農政・種子では世論喚起に成功し、防衛費や秘密保護法といった国家的論点では少数派の声を粘り強く代弁しました5464。
こうした取り組みは決して無駄ではなく、政策は一朝一夕に変わらずとも、「政治を良くしたい」という野間氏の一念は着実に形になりつつあると評価できます6667。有権者との契約である公約を軽んじず、常に実現策を模索する姿勢は、今後政権交代など環境が変われば大輪の花を咲かせる可能性を秘めています。
参考資料
公式資料・議会資料
- 野間健 - Wikipedia
- 野間健 - Wikipedia
- 野間健 - Wikipedia
- 野間健 - Wikipedia
- 野間健 - Wikipedia
- 野間健 - Wikipedia
- 野間健 - Wikipedia
- 野間健 - Wikipedia
- 野間健 - Wikipedia
- 野間健 - Wikipedia
- 野間健 - Wikipedia
- TOP | 2024衆院選かごしま | 南日本新聞デジタル
- 「国境離島みんながJR運賃並法案」を提出 - 立憲民主党
- 「国境離島みんながJR運賃並法案」を提出 - 立憲民主党
- 野間たけし (@nomat1008): "ただいま日置市です" - X
- 政策 | 野間たけし
- 政策 | 野間たけし
- 政策 | 野間たけし
- 政策 | 野間たけし
- 政策 | 野間たけし
- 政策 | 野間たけし
- 衆法 第213回国会 25 不払養育費の立替・取立制度の導入 - 衆議院
- 政策 | 野間たけし
- 政治信条と実績 | 野間たけし
- 衆議院 野間健 | 国会審議映像検索システム
- 衆議院 野間健 | 国会審議映像検索システム
- 政策 | 野間たけし
- タネ(種子)を守る2法案など議員立法5法案を衆院に提出 - 立憲民主党
- タネ(種子)を守る2法案など議員立法5法案を衆院に提出 - 立憲民主党
- タネ(種子)を守る2法案など議員立法5法案を衆院に提出 - 立憲民主党
- 衆議院議員 野間たけし Official Site
- 政治信条と実績 | 野間たけし
- 衆議院 野間健 | 国会審議映像検索システム
- 衆法 第213回国会 25 不払養育費の立替・取立制度の導入 - 衆議院
- 衆法 第213回国会 25 不払養育費の立替・取立制度の導入 - 衆議院
- 衆議院 野間健 | 国会審議映像検索システム
- PowerPoint プレゼンテーション
- 衆法 第216回国会 9 政治資金規正法の一部を改正する法律案 - 衆議院
- 議案審議経過情報 - 衆議院
- 議案審議経過情報 - 衆議院
- 議案審議経過情報 - 衆議院
- 野間健 衆議院議員 基本情報と活動実績
- 野間健 衆議院議員 基本情報と活動実績
- 野間健 衆議院議員 基本情報と活動実績
- 野間健 衆議院議員 基本情報と活動実績
- 野間健 衆議院議員 基本情報と活動実績
- 野間健 衆議院議員 基本情報と活動実績
- 野間 健の詳細|候補者アンケート|zero選挙2024(衆議院選挙)|日本テレビ
- 野間 健の詳細|候補者アンケート|zero選挙2024(衆議院選挙)|日本テレビ
- 野間 健の詳細|候補者アンケート|zero選挙2024(衆議院選挙)|日本テレビ
- 野間 健の詳細|候補者アンケート|zero選挙2024(衆議院選挙)|日本テレビ
- 野間 健の詳細|候補者アンケート|zero選挙2024(衆議院選挙)|日本テレビ
- 野間 健の詳細|候補者アンケート|zero選挙2024(衆議院選挙)|日本テレビ
- 衆院本会議後コメント 予算案に反対討論 野間健 衆院議員 - YouTube
- 野間健 衆議院議員 基本情報と活動実績
- タネ(種子)を守る2法案など議員立法5法案を衆院に提出 - 立憲民主党
- タネ(種子)を守る2法案など議員立法5法案を衆院に提出 - 立憲民主党
- タネ(種子)を守る2法案など議員立法5法案を衆院に提出 - 立憲民主党
- タネ(種子)を守る2法案など議員立法5法案を衆院に提出 - 立憲民主党
- タネ(種子)を守る2法案など議員立法5法案を衆院に提出 - 立憲民主党
- 衆議院議員 野間たけし Official Site
- 衆議院議員 野間たけし Official Site
- 衆議院議員 野間たけし Official Site
- 野間 健 – 議員ウォッチ
- 第217回国会 衆議院 農林水産委員会 第13号 令和7年5月13日
- 名簿 - フードテック議員連盟
- 名簿 - フードテック議員連盟
- 名簿 - フードテック議員連盟
- 名簿 - フードテック議員連盟
- 第217回国会 原子力問題調査特別委員会 第5号(令和7年6月10日) - 衆議院
- 第217回国会 原子力問題調査特別委員会 第5号(令和7年6月10日) - 衆議院
- 第217回国会 原子力問題調査特別委員会 第5号(令和7年6月10日) - 衆議院
- 第217回国会 原子力問題調査特別委員会 第5号(令和7年6月10日) - 衆議院
- 「国境離島みんながJR運賃並法案」を提出 - 立憲民主党
- 「国境離島みんながJR運賃並法案」を提出 - 立憲民主党
- 「国境離島みんながJR運賃並法案」を提出 - 立憲民主党
- 「国境離島みんながJR運賃並法案」を提出 - 立憲民主党
- 「国境離島みんながJR運賃並法案」を提出 - 立憲民主党
- 「国境離島みんながJR運賃並法案」を提出 - 立憲民主党
- 名簿 - フードテック議員連盟
- 名簿 - フードテック議員連盟
- 【日本の鰻を守る国会議員の会】9月11日(木)、EUがニホンウナギを... - Instagram
- 国際観光産業振興議員連盟 - Wikipedia
- TOP | 2024衆院選かごしま | 南日本新聞デジタル
- TOP | 2024衆院選かごしま | 南日本新聞デジタル
- TOP | 2024衆院選かごしま | 南日本新聞デジタル
- TOP | 2024衆院選かごしま | 南日本新聞デジタル
- 野間たけし (@nomat1008) / X
- #今日の野間たけし - Search / X
- #今日の野間たけし - Search / X
- 野間たけし (@nomat1008) / X
- 野間 健 (@nomat1008) • Instagram photos and videos
- 野間 健 (@nomat1008) • Instagram photos and videos
- 野間 健 (@nomat1008) • Instagram photos and videos
- 野間たけしです。 - YouTube
- 野間たけしです。 - YouTube
- 第217回国会 衆議院 農林水産委員会 第13号 令和7年5月13日
- 第217回国会 衆議院 農林水産委員会 第13号 令和7年5月13日
- TOP | 2024衆院選かごしま | 南日本新聞デジタル
- 第217回国会 202 選択的夫婦別姓制度を直ちに導入することを... - 衆議院
- 第217回国会 202 選択的夫婦別姓制度を直ちに導入することを... - 衆議院
- 第217回国会 202 選択的夫婦別姓制度を直ちに導入することを... - 衆議院
- 第217回国会 202 選択的夫婦別姓制度を直ちに導入することを... - 衆議院
- 第217回国会 202 選択的夫婦別姓制度を直ちに導入することを... - 衆議院
- 第217回国会 202 選択的夫婦別姓制度を直ちに導入することを... - 衆議院
以下の資料によりファクトチェック実施済み、本文記事修正済み。