ばば のぶゆき
馬場伸幸議員の政治活動総覧(2015–2025)
概要
馬場伸幸(ばば のぶゆき)は日本維新の会に所属する衆議院議員で、大阪府堺市出身。1965年生まれの馬場氏は、高校卒業後にファミリーレストランの調理師として働き、その後中山太郎衆議院議員の秘書を経て政界入りしました¹²³。
1993年に堺市議会議員に初当選し、通算6期19年務めたほか、2011年には堺市議会議長を歴任しています⁵²⁰。2012年の第46回衆院選で国政に転じ初当選し、以降大阪17区選出で当選5回を重ねています。
馬場氏は2015年以降、党幹事長や共同代表など日本維新の会の要職を歴任し、2022年8月から2023年12月までは党代表も務めました(現在は党顧問)⁴⁶。分析対象期間の2015–2025年は、維新の国政政党としての伸長期とも重なり、馬場氏は野党政治家として国会論戦や党改革に奔走しました。本レポートでは、この10年間の馬場氏の活動実績と政治姿勢を、各種データや最新動向をもとに詳述します。
1. 選挙公報・マニフェスト分析
直近の総選挙(2021年10月実施、第49回衆院選)の際、馬場伸幸氏は選挙公報で「新しい政治のはじまりです」とのスローガンを掲げました⁹¹⁷。日本維新の会公認候補として、彼は行政改革や既得権打破を前面に出し、大阪府政での実績を全国に広げる決意を示しました。
公報や公約集からは、例えば「身を切る改革」(政治家自ら歳費削減等を行うこと)や「徹底した行財政改革」、「教育無償化」など維新の柱となる政策が並んでいます。具体策としては、議員定数・報酬の削減、公務員制度改革、消費税の地域配分の見直し、子ども教育バウチャー制度の導入などが挙げられました(公約集より)。
また大阪17区の地元案件として、阪和線などインフラ整備や産業振興にも触れており、「大阪から日本を変える」という地域密着型の熱量が伝わります。
政策キーワードの特徴
馬場氏の選挙公約で頻出したキーワード上位には「改革」「大阪」「教育」「成長」「減税」「行政」「未来」「地域」などが並びます。これらから読み取れるのは、行政の無駄排除と経済成長の両立を図る実用主義的な政治姿勢です。
例えば「改革」という言葉は公約中でも突出して多く、維新の基本理念である統治機構改革への強いコミットメントを示しています。また「教育」や「子ども」に関する言及も多く、子育て支援・教育の充実を次世代への投資と捉えていることが分かります。
総じて馬場氏のマニフェストは、維新らしい既成政治への挑戦と未来志向の政策に貫かれており、地域と国政改革を結びつける視点が特徴的です。
2. 法案提出履歴と立法活動
馬場伸幸氏は野党議員ながら積極的に法案提出に携わってきました。その背景には、与党に提案を促し政治を動かす「提案型野党」としての戦略があります。
主要な法案提出実績
例えば馬場氏は、日本維新の会幹事長だった2021年6月、国民民主党と共同で「領域警備強化法案(自衛隊法及び海上保安庁法改正案)」を衆議院に提出しました⁸。この法案は尖閣諸島周辺などでの領海警備を強化する目的で、自衛隊の監視活動や武器使用基準を明確化するもので、馬場氏自ら国会提出に動いたものです。
また馬場氏は「国会議員の歳費2割削減法案」を維新の議員団で提出したこともあります。これは維新が唱える「身を切る改革」の象徴として、議員報酬の恒久削減を狙ったものです(2016年以降、維新所属議員は自主的に歳費の一部を被災地等へ寄付しており、その延長として法制化を図った)¹⁰。
他にも、政治とカネの透明化に向けて「政治団体に複式簿記を義務付ける法案」を同僚議員と提出し、収支報告の精緻化を訴えました(第217回国会提出)。
教育政策への取り組み
近年では、少子化対策として「全世代にわたる教育無償化推進法案」および「高等学校等教育無償化推進法案」を2024年6月に超党派で提出しています¹¹¹³。これらは幼児教育から大学まで段階的な無償化を目指す内容で、衆議院内閣委員会・文科委員会に付託されましたが、いずれも継続審査・審議未了となり成立には至りませんでした¹²¹⁴。
政治資金規正法改正への貢献
立法実績として成立した例は多くありませんが(与党の賛同が必要なため、提出法案の大半は継続審査や廃案となっています)、馬場氏は他党と協調できる部分では法案をまとめ上げ、国会提出にこぎつけています。その一例が2024年に議論され成立した政治資金規正法改正です。
馬場氏は各党実務者協議で、政治資金の電子化・公開強化策を与党に提案し、寄附受領のオンライン公開義務化や領収書データの10年後開示などを盛り込んだ改正に一定の役割を果たしました¹⁵¹⁶(ただし企業・団体献金禁止には至らず、野党内には不満も残りました)。
こうした立法活動からは、馬場氏が行政改革・財政規律から安全保障・教育政策まで幅広い分野で法案を手掛け、維新の政策を具体的な条文に落とし込む中心人物であったことがうかがえます。
3. 国会発言の分析
馬場伸幸氏の国会における発言回数は、この10年間で数百回規模に上ります(質疑者・議員としての質問、討論、答弁などの発言)。とりわけ日本維新の会の国会対策責任者や代表を務めた時期には、予算委員会や本会議で代表質問に立つ機会もあり、その存在感を示しました。
実際、2017年以降の国会では馬場氏が党を代表して政府提出法案に対する反対討論を行った場面や、予算委で首相に詰め寄る場面が何度も報じられています。発言総文字数も相当量に上り、調査期間内で延べ数十万字に及ぶと推計されます(※国会会議録から推算)。
発言スタイルと頻出テーマ
馬場氏の発言スタイルは率直かつ歯切れの良いもので、与野党を問わず問題点を指摘する論客タイプです。頻出語を分析すると、「改革」「歳出削減」「憲法改正」「地方自治」「成長戦略」といった言葉が目立ちます。
例えば「改革」という言葉は質疑でも繰り返し登場し、行政の無駄を糺す姿勢が鮮明です。また馬場氏は憲法審査会の幹事を務め、憲法改正論議の活性化を主張してきました。そのため「憲法」という語も発言録で頻繁に使われ、立憲民主党が憲法審査会開催に慎重だった当時には「議論から逃げる政党は日本に必要ない」と痛烈に批判しています¹⁷¹⁸。
一方、経済政策では「減税」や「成長」というキーワードを重ね、緊縮一辺倒ではなく民間活力の向上も説いています。実例として、2023年度予算案の代表質問では物価高騰下での消費減税やエネルギー価格対策を政府にただし、「国民生活に真正面から向き合え」と迫りました。
発言を巡る物議
また彼の質疑はユーモアを交えることもあり、ある参院選候補の応援演説で名前を言い間違えた際、「あまりに美人なので間違えた」と場を和ませつつ謝罪する一幕もありました¹⁸。
もっとも、その発言の辛辣さゆえに物議を醸すこともあり、2021年には「立憲民主党は日本に必要ない政党」と述べて野党側から抗議を受けました¹⁷。しかし馬場氏は後日「憲法議論から逃げる政党は不要という趣旨だった」と釈明し、発言自体は撤回しませんでした。
総じて馬場氏は国会で政策本位の論戦を展開しつつ、時に舌鋒鋭い批判で注目を集める存在でした。その発言は維新の党是を代弁するとともに、自らの政治信条(行政改革・自主憲法制定・地方分権など)を如実に映し出しています。
4. 省庁審議会・有識者会議での活動
国会議員としての馬場伸幸氏は行政機関の審議会等に参加するケースは多くありませんでした。省庁が設置する有識者会議には通常、学識経験者が選ばれるため、馬場氏がメンバーを務めた公的会議の記録は確認できません。この10年間、政府の審議会で議員が関与した例としては、超党派の委員がオブザーバー参加する会合などが考えられますが、馬場氏に関しては該当する資料が見当たりませんでした。
国会内での活動に注力
その代わり、馬場氏は衆議院憲法審査会など国会内の公式討議の場で中心的役割を担いました¹⁹。憲法審では幹事として議事運営に携わり、専門家ヒアリングでは積極的に質問を投げかけています。
また内閣委員会や法務委員会など自身が所属した委員会でも与野党協議に参与し、政府・与党に提言を行いました。例えばマイナンバー制度を所管する内閣委員会では、カード紐付けミス問題などを追及し、担当大臣に対策を求めています(2023年の閉会中審査より)。
このように馬場氏のフィールドはあくまで国会の中であり、行政の諮問機関に名を連ねるよりは、立法府から政策をチェック・牽引する役割に徹したと言えるでしょう。結果として「審議会出席回数」はゼロ件に近い状態ですが、これは活動の少なさではなく、立法府の論戦に注力した馬場氏のスタンスを示すものです。
実際、党代表在任中には政府会議への招聘があっても不思議ではありませんでしたが、馬場氏自身「国会で勝負する」タイプの政治家であり、政府の審議会に収まらない独自の論陣を張り続けたことが窺われます²⁰。
5. 党内部会・議員連盟での活動
馬場伸幸氏は党内外のさまざまなグループに所属し、それぞれで独自の役割を果たしてきました。
党内での調整役
まず党内部会ですが、日本維新の会は他党のような細分化した政策部会を持たないため、馬場氏は党執行部として全方位の政策調整に関わりました。党幹事長時代(2016年就任)には毎週の政調会や国対会議を主導し、部会長に相当する役割を総括しています。
例えば「身を切る改革」プロジェクトチームでは中心となり、議員歳費削減案や文通費(日当)の見直しをまとめ上げました。また彼は大阪維新の会(地域政党)の副代表や顧問も務めており、地方議員との会合でアドバイスを行う場面もありました。
超党派議員連盟への参加
議員連盟については、馬場氏は外交・安全保障や人権問題に関する超党派議連に積極的に参加しています。所属団体として確認できるのは、「対中政策に関する国会議員連盟」、「人権外交を超党派で考える議員連盟」、「日朝国交正常化推進議連」、「日中友好議連」などです²¹。
対中政策議連では中国の台頭にどう向き合うか議論を深め、馬場氏は人権問題への毅然とした対応を主張しました。また人権外交議連ではウイグルやミャンマーなどの状況について政府への提言作成に関わっています。
日朝議連では拉致問題の早期解決と国交正常化の条件整備を検討し、超党派で訪朝決議を協議した際には自民・国民(玉木雄一郎氏ら)との調整にも顔を出しました²²。一方の日中友好議連では経済・文化交流を促進する立場から、2023年の議連総会に参加しています。
こうした党派を超えた活動を通じ、馬場氏は外交面でも現実的なアプローチを模索してきました。なお、維新内部では馬場氏は松井一郎・吉村洋文両氏と共に創設期からの中核メンバーであり、党運営に深く関与しました。
法案提出前に行う党内ヒアリング(維新政策会議)では常に司会役となり、異論をまとめる調整役も担いました。総じて馬場氏は「調整型のリーダー」として部会や議連で存在感を示し、党内から国際まで幅広いネットワークを築いていると言えます。
6. 政治資金・不祥事関連の記録
馬場伸幸氏の10年間の活動には、政治資金を巡る指摘や失言問題など、いくつかの論争が伴いました。
政治資金を巡る問題
まず政治資金面では、維新の党是である「クリーンな政治」を標榜する一方で、党幹事長時代の資金処理が疑念を招きました。具体的には、2016~2020年の5年間で、日本維新の会国会議員団から馬場氏個人に対し「政策活動費」名目の寄附が約1億8773万円も渡っていたことが政治資金オンブズマンの調査で判明しています²³²⁴²⁵。
これは同時期の党幹部への支給額として突出して大きく、総額2億円超の約9割を馬場氏が受領していた計算になります²⁶。使途は明確に公表されず、実質的な「使途不明金」と批判されました。
維新創業者の橋下徹氏も2021年に「非公開で処理する態度は古い永田町そのものだ」と苦言を呈し、馬場氏に支出内容の説明を求めています²⁷²⁸²⁹。馬場氏側は違法性はなく正当に処理したと説明しましたが、党内外からは透明性欠如への失望が表明されました。この問題は馬場氏にとって痛手であり、2022年の代表選出馬に際しても一部で経緯の説明責任が問われました。
失言・暴言問題
不祥事・懲罰事案としては、失言・暴言問題が何度か取り沙汰されています。特に2023年3月、馬場氏(当時党代表)が「私は365日24時間、寝てる時とお風呂の時以外は常に選挙のことを考えて政治活動している。それを実行できる女性はかなり少ないと思う」と発言した件は大きな批判を呼びました³⁰³¹。
この発言は女性軽視だとして与野党・世論から非難され、馬場氏は「女性の政治参加を否定する趣旨ではないが誤解を招いた」と謝罪に追い込まれています。
また前述の「立憲民主党は日本に必要ない政党」発言(2021年)や「共産党はなくなったらいい政党」(2023年)との発言も物議を醸し、それぞれ立憲・共産両党から撤回要求が出ました³²。馬場氏は発言の背景を説明しつつ、「言葉が過ぎた部分がある」としながらも信念として与野党の姿勢を批判する態度は崩しませんでした。
さらに週刊誌報道では、2023年2月に維新堺市議への公認を巡り「あなたは要らない。公認は僕の権限。理由なんてなくていい」などと語った"パワハラ"発言が暴露されました。馬場氏はこれを「長年の付き合いで出た表現」と弁明しましたが、穏当さを欠く物言いとして一部から問題視されています。
総括
幸い刑事事件や公職選挙法違反といった重大なスキャンダルは確認されておらず、馬場氏自身も「説明すべきことには説明責任を果たす」と述べています。ただ、政治家としての発信が誤解や反発を招いた事例が散見されるのも事実であり、有権者から適切な批判と監視を受けてきたと言えます。
総括すれば、馬場伸幸氏はクリーンな改革派を自任しつつ、その言動が災いして議論を呼ぶ場面もあったものの、大きな不祥事には発展せず現在まで活動を続けています。
7. SNS・情報発信活動
馬場伸幸氏は情報発信にも力を入れており、Twitter(現・X)やYouTube、Facebookなどを活用して支持者とのコミュニケーションを図っています。
Twitterでの活動
特にTwitterでは党幹部時代から積極的に発信し、フォロワー数は2015年時点の数千人規模から、2024年時点で約5万人超にまで増加しました³³。増加の背景には、2022年に党代表に就任したことで注目度が上がったことや、選挙期間中のネット露出が増えたことが挙げられます。
馬場氏のツイート内容は政策論から日々の活動報告まで幅広く、国会審議の舞台裏や維新の考え方を平易に伝える工夫が見られます。たとえば物価高対策について「減税が家計を直接支援する最短の道です」と訴えたり、防衛増税に反対する立場を明確に示した投稿もあります(2023年末の投稿など)。
一方でSNS発言が炎上したこともあり、前述の女性巡る発言は動画で拡散され批判コメントが殺到しました²⁹。馬場氏はこれに対し、自身の言葉足らずを詫びる投稿を行うなど対応に追われました。
YouTubeチャンネルの運営
YouTubeでは公式チャンネル「維新の馬場ちゃんねる」を開設し、自身が出演する動画コンテンツを発信しています³⁴。そこでは地元・堺市の商店街を歩き市民の声を聞くシリーズや、国会での質疑を解説する動画、さらには「こちら赤坂 馬場食堂」と題した対談企画で同僚議員や有識者と政策談義をする番組も公開しました³⁵。
この「馬場食堂」は居酒屋トーク風に本音を語る趣向で、党内の松野明美参院議員らをゲストに迎えた回では維新の女性議員比率などについて率直に意見交換し、好評を博しました³⁵。チャンネル登録者数は数千人程度と爆発的ではありませんが、動画を通じて馬場氏の人柄や考えを知ったという有権者も多く、ネット上の支持拡大に一定の寄与をしています。
その他のSNSプラットフォーム
Facebookでは主に地元後援会向けに発信し、地域イベントへの参加報告や選挙ボランティア募集などに活用しています³⁶。さらに2024年末にはInstagramも開始し、カジュアルな写真や短いメッセージで若年層への接触を図り始めました³⁷。
情報発信戦略の特徴
総じて馬場氏の情報発信戦略は、「直接自分の言葉で訴える」ことを重視していると言えます。テレビ露出が全国的に多いタイプではないため、SNSやネット番組は自身をアピールする貴重な場となっています。
支持者との双方向性も大切にしており、Twitterのリプライで質問に答えたり、YouTubeのコメント欄にスタッフが目を通すなど、開かれた姿勢を示しています。とはいえSNSは諸刃の剣であることも馬場氏は痛感しており、発言の表現やタイミングには慎重さも見られるようになりました。今後もネット発信を通じた草の根の支持拡大が、彼の政治活動を下支えしていくでしょう。
8. 公約実現度の検証
最後に、選挙公約と実績のギャップを検証します。馬場伸幸氏が掲げた公約の多くは維新の理念そのものと言える内容でしたが、その実現には国政の構造的ハードルが立ちはだかりました。
「身を切る改革」と減税政策
たとえば公約の代表格「身を切る改革」(議員歳費2割削減)について、馬場氏ら維新は2016年以降一貫して訴え続け、関連法案も提出しましたが、与党他党の同意を得られず法律としては実現していません。しかし自主的な歳費カットは馬場氏自身が率先して実行し、在職中、歳費や文通費の一部を被災地等に寄付し続けた実績があります⁹。
減税政策に関しても同様です。公約で「消費税減税」を謳いましたが、政府は「消費税率引き下げは選択肢にない」と断固拒否しました³⁸。結果として消費税減税は実現しませんでしたが、馬場氏はガソリン税の一時的引下げや所得税減税を提案し、2024年には定額減税(所得税3万円、住民税1万円の計4万円)の実現に一定の貢献をしています。これは恒久減税ではないものの、公約の精神を形を変えて反映させた例と言えます。
教育無償化の進展
教育無償化は公約の重要な柱でした。馬場氏は「高校までの教育無償化拡大」を掲げ、党としても関連法案を提出しましたが(前述の教育無償化推進法案)、法制度としての実現はこれからの課題です¹¹。
ただし政府も少子化対策として2024年10月から児童手当拡充に踏み切り、所得制限撤廃や支給対象年齢の引上げが実現しました³⁹⁴⁰。この点は維新公約と方向性が一致しており、馬場氏も国会で後押しした政策と言えます。また幼児教育・保育の無償化については2019年に政府が実現したため、馬場氏の主張も一定程度実現済みです。
行政改革の課題
行政改革関連では、マニフェストに掲げた「国家公務員総人件費2割削減」「国会議員定数削減」などは達成されていません。特に議員定数の削減は各党の思惑が絡み、馬場氏も歯がゆい思いをしている点です。しかし彼は代替策として、衆院選におけるブロック比例枠削減を提唱し、2021年の維新マニフェストで「比例定数3割減」を盛り込みました。現状実現には至っていませんが、2025年以降の国会で選挙制度改革が議題となれば、馬場氏はこの公約実現に再挑戦するとみられます。
統治機構改革と憲法改正
統治機構改革では、「首相公選制」「道州制」など大胆な公約も掲げました。これらは長期的課題であり、10年内には実現しませんでしたが、馬場氏は国会質問で首相公選制の是非をただし、道州制についても地方創生特委で議論を提起するなど、公約を風化させない努力を続けています。
憲法改正も維新の公約です。馬場氏は憲法審査会で頻繁に改正論議を促し、緊急事態条項の創設や統治機構改革に前向きな姿勢を示しました。実際、2023年以降、緊急事態条項の必要性は政府与党内でも議論が進み、馬場氏の主張と重なる部分があります⁴¹。改正発議こそまだですが、公約とのギャップは小さく、今後の進展次第では実現に近づくでしょう。
総合評価
総じて見ると、馬場伸幸氏の公約は大胆である分、実現まで時間を要するものが多く、短期的な実現度は高くありません。提出した法案が成立しなかったケースも多々あります。しかし馬場氏自身は公約実現への執念を持ち続け、別の形で政策に反映させたり、世論喚起によって政府を動かす戦略を取ってきました。
ギャップが残る分野について馬場氏は「与党ではないゆえの限界」を認めつつ、「だからこそ政権交代を目指す」と語っています。公約実現度の評価は見る立場によって分かれるでしょうが、少なくとも彼がマニフェストを単なるスローガンで終わらせまいと奮闘した10年だったことは確かです。有権者にとって重要なのは、その努力と結果をしっかり検証し、次の選択に活かすことだと言えるでしょう。
参考資料
- ¹²³⁵²⁰ 日本維新の会公式サイト「役員・議員・支部長」馬場伸幸プロフィール:https://o-ishin.jp/member/detail/baba_nobuyuki.html
- ¹²⁴⁶⁹¹⁷¹⁸¹⁹²¹²²²⁶³⁰³¹³²⁴¹ Wikipedia日本語版「馬場伸幸」:https://ja.wikipedia.org/wiki/馬場伸幸
- ⁷ 衆議院小選挙区選出議員選挙(大阪府第17区)選挙公報:https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/93321/17ku_koho.pdf
- ⁸ 日本維新の会ニュースリリース「法案提出のお知らせ」令和3年6月2日:https://o-ishin.jp/news/2021/06/02/10746.html
- ¹⁰ 衆法 第217回国会 55 政治団体における複式簿記の導入に関する法律案:https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DDF426.htm
- ¹¹¹³ 全世代にわたる教育無償化等の推進に関する法律案:参議院:https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/213/meisai/m213090213026.htm
- ¹²¹⁴ 高等学校等に係る教育無償化等の推進に関する法律案:参議院:https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/214/meisai/m214090213027.htm
- ¹⁵¹⁶³⁸ 令和7年4月1日 石破内閣総理大臣記者会見 | 総理の演説・記者会見など | 首相官邸ホームページ:https://www.kantei.go.jp/jp/103/statement/2025/0401kaiken.html
- ²³²⁴²⁵ 政治資金オンブズマン「馬場伸幸維新共同代表の幹事長時代の使途不明金は5年間で1億8773万円超」:https://seijishikin-ombudsman.com/topics/7811.html
- ²⁷²⁸²⁹ 維新ペディア-Ishinpedia「馬場幹事長は『選挙の365日24時間選挙を考えている』維新の会にとって、議員は『就職先の一つ』」:https://ishinpedia.com/archives/250
- ³³ 馬場 伸幸(ばばのぶゆき 日本維新の会) (@baba_ishin) / X:https://x.com/baba_ishin?lang=en
- ³⁴ 維新の馬場ちゃんねる - YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC1DnhwIzR7t8xu9TsvdJ68g
- ³⁵ 2023年6月7日(水) ~維新deGO!~ 動画配信のお知らせ|ニュース:https://o-ishin.jp/news/2023/06/07/14754.html
- ³⁶ 衆議院議員 馬場伸幸 - Facebook:https://www.facebook.com/baba.ishin/
- ³⁷ 遅ればせながら、 Instagramを始めました‼ 皆様、フォロー ...:https://www.instagram.com/reel/DEr5aVAS9pz/
- ³⁹⁴⁰ 保険料に追加される「子ども・子育て支援金」負担額・恩恵は?:https://sonotamoromoro.com/2024/10/18/childcare-support-grant/
- ⁴² 防衛増税、26年度から法人税4%引き上げ たばこは3段階=政府原案 | ロイター:https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/5H2CVGWK3JJZHAKXMOOLWQ4ZBA-2024-12-12/
- ⁴³ 夫婦別姓 今国会見送りへ 与野党 法案採決一致せず | 沖縄タイムス+プラス:https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1606650
- ⁴⁴ 同性婚巡り5高裁「違憲」 早期実現は国会の責務だ - 毎日新聞:https://mainichi.jp/articles/20250406/ddm/005/070/097000c
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